最近よく耳にする、「ヤングケアラー」という言葉。「ヤングケアラー」とは、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っているこども・若者のことで、責任や負担の重さから学業や友人関係などに影響が出てしまうことがあり、問題になっています。
2014年ごろ、ヤングケアラーという言葉がメディアで取り上げられたことを契機に、注目を集めるように。
2020年には、厚生労働省による調査が行われました。中学2年生と高校2年生を対象とした同調査によると、約20人に1人が「世話をしている家族がいる」と回答する結果に。これは、1クラスあたり1〜2人のヤングケアラーが存在することを意味しています。
もしも自身の周囲で「ヤングケアラーでは?」と感じることがあった場合、どうすればよいのか。神戸市のこども・若者ケアラー相談・支援窓口の担当課長である上田さんは、このように説明しました。
「ヤングケアラーは、自分がケアをすることが当たり前だと思っていたり、周りからの期待に応えるためにケアを行っていたりする場合があります。ケアを行っていること自体を否定したり、逆に過度に評価したりするのではなく、本人の状況を認めたうえで『いつでも相談していいんだよ』『相談できる窓口があるよ』などの声かけからはじめていただければ」(上田さん)
神戸市は、2021年6月に、全国の自治体では初となるヤングケアラー専門の『神戸市こども・若者ケアラー相談・支援窓口』を開設。同年10月からは、ヤングケアラーの当事者同士が交流や情報交換ができる『ふぅのひろば』を開設しました。
同窓口では、ケアラーとしての悩みや希望を聞き取ったうえで、少しでも精神的負担の軽減が図れるよう、必要な公的支援の検討や関係機関との調整を行い、継続的な伴走的支援を行っています。
相談窓口は、湊川神社西隣にある総合福祉センターの1階にあります。土日祝日、年末年始をのぞいた平日午前9時~午後5時まで、来所・電話(078-361- 7600)・メールでの相談を受け付けています。
ヤングケアラー同士が気軽に集えて、交流と情報交換ができる場『ふぅのひろば』は、毎月第2土曜日の午後2時よりハーバーランドにある神戸市青少年会館で開催されています。対象は、神戸市在住または在学、在勤の概ね16歳以上のヤングケアラーです。
『ふぅのひろば』への参加は、NPO法人こうべユースネット「こども・若者ケアラー交流・情報交換の場」係まで。メール・電話・FAXで名前や電話番号などを伝えることで申し込みが可能。詳細は、専用ホームページにて確認ができます。



