
伝え方はさまざまでいい。20年を期に自らの体験を綴った本を出版する人、絵画を通して栞で表現する人、負傷者が集い、語る場もそう。

最近、三井さんは、ある地域活動家がつくった「共事者」という言葉を知った。当事者意識を強いるのでもなく、「当事者以外、語ってはいけない」という雰囲気もつくらない。
「事を共にし、寄り添って生きることができたら…」。20年経ってたどり着いたひとつの考え方だ。
三井さんは母として、ひとりの人間として、いま強く感じている。「苦しみを我慢することに慣れてしまった被害者や家族がたくさんいる。これからは、そうした方々がしまい込んだ“心の傷”と向き合い、悲しい出来事から被害者自らが立ち上がることを息長く待ちたい」。




