絵画、彫刻、工芸、書跡などあらゆるジャンルに及ぶ日本の美の真髄を集めた特別展「日本国宝展」が大阪市立美術館(大阪市天王寺区)で開かれている。展示物すべてが国宝(参考出品除く)というぜいたくなラインアップで、会場には一品一品を食い入るように見つめる学生の姿も。会期は6月15日(日)まで。
同展では、135件の国宝を展示替えしながら紹介する。最小の国宝ながら抜群に有名なのは「金印『漢委奴國王』」(弥生時代・1世紀)[5月7日まで]。当時の日本と中国大陸との関連を物語る第一級の史料だ。ライトアップされ独立のガラスケースに収まっており、さまざまな角度から間近で観賞できる。


展示は「日本美術の巨匠たち」からスタート。雪舟、狩野永徳らによる誰もが1度は目にしたことがある傑作がずらりと並び、続く「いにしえ文化きらきらし」では、ダイナミックな装飾が特徴的な「火焔型土器」(縄文時代中期)[通期]や春日大社の「蒔絵箏(本宮御料古神宝類のうち)」(平安時代)[5月25日まで]など選りすぐりの古代アートがお目見え。


「書」も見逃せない。日本独自の書風「和様」を完成させた平安時代の三蹟・小野道風、藤原佐理、藤原行成の作品や、仮名(かな)の美の最高峰である「古今和歌集」最古の写本「高野切」の第一種・第二種・第三種を公開。「祈りのかたち」では、薬師寺の「聖観音菩薩立像」(白鳳時代/通期)、「普賢菩薩騎象像」(平安時代/同)などが広々とした空間にゆったりと配置され、古代から受け継がれた人々のあつい信仰心を伝える。








