「弟が生まれたら上の子はしっかりすると思っていた」とママ。現実は違いました。唯一出ていた言葉もいつの間にか話さなくなってしまいましたが(成長退行)、それも赤ちゃん返りのひとつで、きっと以前のように「はーい」や「いないいないばぁ」ができるようになると、ママは思っていたそうです。
娘の異様さや違和感が徐々に確信に…
のぞくんの出産後は育休をとり、ちーちゃんとのぞくんを自宅で保育していたママは、毎日子育て支援センターに通っていました。その中で他の子との違いや、集団行動のできないちーちゃんを目の当たりにし、ちーちゃんの発達に関する違和感が徐々に確信に変わっていきます。
2歳目前での保健センターからの連絡をきっかけに、2歳1カ月で小児神経科を受診したところ、”できていたことができなくなった”、”興味の幅の狭さ”、”人の興味のなさ”、”言葉の遅れ”から、自閉スペクトラム症の傾向があることを告げられ、療育を勧められました。
「自閉症?療育?当時は何もわからないながらも、不安よりもホッとした安堵がありました」とママ。そこからたくさんの手続きを終え、実際に療育が始まったのは2歳7カ月。
「もどかしい半年間でしたが、今まで真っ暗闇を駆け抜けた育児にロードマップを渡された気分で、心は穏やかでした」
早期療育をすれば、何かが変わると過信していた
ようやく始まった療育は、月に2回、たったの2時間。相談の場や学びは多かったそうですが、ママの育児負担はむしろ増え、ちーちゃんに大きな変化も現れず、療育に通っている発達がゆっくりな他の子どもとも比較しては落ち込むこともあったそうです。
「診断がついても、娘の居場所が見つからない、そんな孤独さに押しつぶされそうでした」
「周りと比べると辛くなりますが、娘は自分のペースで頑張っていて、いつのまにか歌を歌えたり、フォークが使えたり、丸の中にシールを貼れたり、成長を感じることもありました。それでも発語はなかなか伸びず、娘は宇宙語を話しました」
「療育に通い始めたとき、娘とコミュニケーションをとれるようになりたいと願っていましたが、すごく遠くて難しい夢なのかなと薄々感じ始めました」





