生まれも育ちも神戸市中央区でサブカル郷土史家の佐々木孝昌(神戸史談会、神戸史学会・会員)が、北区出身で落語家の桂天吾と、神戸のあれこれについてポッドキャストで語る『神戸放談』(ラジオ関西Podcast)連載シリーズ。今回のテーマは、「祭り」です。
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関西で祭りと言えば、京都の祇園祭や葵祭、大阪の天神祭などが有名だ。神戸はといえば、今週5月18日(日)に「第52回・神戸まつり」が開催される。
僕も、幼少の頃から高校生くらいまでフラワーロードへサンバやパレードを観に行っていた。もちろん、屋台の食べ物も目的の一つ。もちろん、一昨年まで前日の土曜に一斉開催していた「各区のまつり」にも行っていた。
うちは中央区と言いつつ兵庫区との区境に近いので、湊川公園で開催される兵庫区の「はっぴいひろば」だ。結婚後も子供が小さかった頃は、連れて行っていた。そういえば、僕が小学校の頃は土曜が半ドンで、「神戸まつり」の前日は学校が休みになっていた。まさに、神戸市民のまつりである。
落語家の桂天吾君は北区出身。北区と言えば「各区のまつり」の「きたきたまつり」。待ち合わせの時など友人の姿が見えたら「来た来たまつり」と思わず口走るぐらい、神戸っ子の駄洒落の定番……かどうかは知らんけど、その「きたきたまつり」。
当然、天吾君は子供の頃から行っていると思いきや、一度も行ったことが無いと言うではないか。しかも、「神戸まつり」自体、一度も行ったことが無いそうだ。
そもそも、「神戸まつり」は「祭」なのか? いや、名称こそ「まつり」だがイベントでありフェスといえるだろう。祇園祭や天神祭といった「祭」は基本的に神社などの祭礼だが、「神戸まつり」は祭礼に依拠しない。「まつり」であっても「祭」ではないのだ。
では、神戸の祭りは? もちろん、地域で昔から行われている祭りは多々ある。京都や大阪のように大規模ではないが、「灘のだんじり祭り」や柳原の「十日えびす大祭」、湊川神社の楠公祭で、基本5年に一度行われる「楠公武者行列」などは、神戸では比較的規模の大きい方だろう。





