成分調整と食感に困難を極めた。町田さんは「キャラメルの製造には乳(乳化剤)が必須だと思い込んでいた。確かに、乳か゚味を整え、形をつくる。キャラメルは柔らかすぎても、固すぎてもいけない。その中間的な状態を作り出さなければ、菓子として成り立たない」と話す。
通常は砂糖という結晶と、乳という非結晶の絶妙なバランスが織りなすキャラメル。
非結晶というのは、水飴のように伸びる状態を想像するとわかりやすい。これに砂糖の結晶を加えると、形状を保つことができるという。
ただし、配合によっては物質として固まっていても、翌日には形状を保てずに崩れてしまうほどデリケートだ。今回の開発でのハードルの1つだった。
また、米は風味が優しい。言い換えるならは味が弱い。だからこそ、おかずをはじめ多種多様な食材とマッチするのだが、味を大きく主張しないのが米。
キャラメルに米の素材を単に加えるだけでは、米の風味はまったく出ない。ましてや香料として加えるのは、今回の開発趣旨から遠のいてしまう。
そのため、米以外に風味のある原料を配合していない。砂糖は精製されたものを使い、和三盆や黒糖など個性のあるものは使わなかった。
『お米のキャラメル』を支えるのは、▼日本古来の甘味料と言われる米飴、▼ほのかに米の風味を加える米粉、▼米ぬかから作られる米油、▼芳香を生み、キャラメルの形を整える米たんぱく。特に米たんぱくは、新たな植物性たんぱく質として期待される。
そこに最低限の砂糖を加え、配合の比率や製造工程で研究を重ねた。
パビリオンではハート型のキャラメルを、来場者1人に1粒(計4グラム)ずつ配布する。
パッケージには大阪・道頓堀にあるグリコサインの「ゴールイン」マークと同社のロゴマークをあしらった。






