外でも家の中でも元気に走り回るのが子ども。「じっとして」と注意をしてもなかなか止まることはありません。
子どもは、なぜ・何のために走るのでしょうか。乳幼児期の子どもの行動発達について研究する、立命館大学の矢藤優子教授に話を聞きました。

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矢藤教授によると、子どもが走り回るのは「成長するための刺激を求めるから」とのこと。
「認知能力や身体感覚が発達していないのが子どもというもの。色んなものを触ったり何でも口に入れるなど、様々な行為を通して刺激を求めているのです。こうして体の機能や部位を試し感覚を鍛えることで、成長していくのです」(矢藤教授)
「走る」という行為は、主に運動感覚や平衡感覚など「歩く」よりも多くの刺激を得ることができ、子どもの成長にとって欠かせないものの一つなのだとか。
成長するために必要ではあるものの、静かにすべき場所や危険な場所などでは走り回るのをやめて欲しいことも。こうした場面で「じっとして」と言っても、子どもはなかなか言うことを聞いてくれず困った経験がある人も多いのでは?

その理由について、矢藤教授によると「子どもは行動や感情のコントロールを行う脳の前頭前野の発達が未熟であるために、やりたいと思った行為を自己制御するのが難しいのです」と説明。