また、陽子線が当てにくい部位や、照射しても十分な効果が得られないケースもあり、すべてのがん患者にとっての「最適解」になるとは限りません。あくまで手術や抗がん剤、通常の放射線治療と並ぶ「選択肢のひとつ」という位置づけです。
◆医療の選択肢を広げる、その先へ
それでも陽子線治療の需要は年々高まり、センターを訪れる患者も少しずつ増えています。
「私たちの役目は、医療の進歩を“過剰に期待させる”のではなく、“正しく理解してもらう”ことだと思っています。陽子線治療は有効な手段のひとつですが、向き不向きがあります。患者さんごとに合った方法を、きちんと話し合って決めることが大切です」(徳丸センター長)

◆市民への認知広げる活動も
陽子線治療・粒子線治療を市民にも身近に感じてほしいと、神戸陽子線センターとつながりのある兵庫県粒子線医療センターの院長が、6月29日(日)に姫路・キャスパホールで行われるイベント、ひょうごExpo Week「いのちをつなぐ講演会」に参加。そこでは、重粒子線によるがん治療に関する講演を行う予定だといいます。イベントに関する詳細は、兵庫県の公式サイトに掲載されています。
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2人に1人ががんにかかると言われる今。治療法の選択肢が広がることは、患者にとって大きな安心材料になるでしょう。
ただし、その選択肢が“すべての人に等しく届く”ためには、制度面や情報面の整備がこれからも求められています。
※ラジオ関西『三上公也の朝は恋人』より






