大阪・舞洲で開催されている大阪・関西万博には、多くの国や機関が参加しており、その国の一面に触れることができる。
音楽と芸術の国・オーストリア。ひときわ目を引くパビリオンは五線譜をモチーフとした外観が印象的で、「未来を作曲」をテーマに、過去から現代、そして未来へ向かう最新のオーストリアを紹介する。

館内には、世界で16台しかないという、ベーゼンドルファーのグランドピアノ「The Great Wave off Kanagawa(神奈川沖浪裏)」が展示され、ピアノの上では、ウィーンを代表するガラスメーカー・ロブマイヤー社の高さ2メートルのシャンデリアが輝く。このシャンデリアは、1873年開催のウィーン万博に出品された「レプリカ」だ。日本が「国」として初めて万博に参加したのが、このウィーン万博で、出品された日本の工芸品や美術品は現地の人を魅了し、ジャポニズム旋風が起こったと言われる。

オーストリアは9つの連邦州からなる共和国で、ヨーロッパの中心部に位置する。そのロケーションから古来より様々な文化が交錯し、花開いた。中でもモーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、ブルックナー、マーラーなど、多くの音楽家を輩出するなど、音楽は代名詞とも位置付けられる。またハプスブルク家による美術コレクションも充実している。国内には約750の博物館や美術館があり、近年ではデザインやデジタルアートも注目されている。

神戸との「共通点」を挙げるとするならば、「カフェ」ではないだろうか。明治期、神戸港(1868年開港)には、海外からいろいろなものが入ってきた。そのひとつがコーヒーで、神戸・元町には「日本最古のコーヒー店」がある。その後喫茶店が多く誕生し、「神戸は日本のカフェ文化発祥の地」と唱える人もいる。

カフェは、首都・ウィーンでは欠かせない存在で、「ウィーンのカフェ文化」は2011年、ユネスコの無形文化遺産に登録された。広々とした空間に大理石のテーブル、その周りにはふかふかの座席。また年月を経た品々が飾られている。そのような空間はまるで自宅にいるような心地よさを感じさせるという。このほか「レトロなコート掛けや、ジャケットや蝶ネクタイでキメたウェイターも『ウィーンの伝統カフェあるある』です」と、オーストリア大使館観光部の大西悠さんは話す。






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