コーヒーだけでなく、「メインと同じくらい重要」と位置付けられる、デザートも欠かせない。その中のひとつ・ザッハートルテは、世界的にも有名となった。レシピが残る「世界最古のケーキ」もオーストリアにある。第3の都市・リンツの名を冠したリンツァートルテで、1653年の文献にその名が登場している(トルテはドイツ語でデコレーションケーキの意味)。シナモンやクローブ、レモンなどのスパイスとナッツ類を合わせた生地にレッドカラント(※)ジャムをトッピングして焼いたもので、格子模様が特徴。口に入れるとスパイスの風味とジャムの甘酸っぱい香りが広がる。「リンツ市のスイーツ大使」とも言われ、2015年からはリンツ市観光局とアーティストがコラボしたスペシャルパッケージ缶が、毎年1万個限定で発売されるほどの人気のスイーツだ(※レッドカラント=ヨーロッパでは古くから親しまれている果実の一つ。赤フサスグリ)。



「カフェはスイーツのイメージが強いですが、料理を提供するところも多く、ウィーナーシュニッツェル(カツレツ)やグーラッシュ(ビーフシチュー)といった定番の料理もいただけます。レストランより値段的にも気持ち的にも気軽なので観光客も入りやすいです。地元の人達がサクッと食べている風景もよく見かけます。一人旅でも大丈夫ですよ」と大西さんは言う。


そんなオーストリアの食・カフェ文化は、大阪・関西万博、オーストリア館のレストランで味わうことができる。各種コーヒーやザッハートルテ、リンツァケーキバー、シュニッツェルやグーラッシュなども。大西さんは「まずは万博でオーストリア文化に触れてほしい。それが現地へ足を運ぶきっかけになれば」と期待を寄せる。






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