「梅雨も明けてジメジメとはおさらば!」とはならず、日本では梅雨明けの夏も湿気との戦いは続きます。カビや嫌なニオイは気温の上昇とともにさらに活発になるため、むしろ厄介な季節ともいえます。
そんな見えない敵から大切な衣類や住まいを守ってくれるのが除湿剤です。除湿剤について、組合員からのさまざまな問い合わせに対応している「コープこうべ商品検査センター」の担当者に詳しく話を聞きました。
――ひとまとめに「除湿剤」といっても、現在はさまざまな商品が販売されていますよね?
【担当者】 タンクタイプと呼ばれる丸いつぶつぶが入っているものや、シートタイプなどがあります。今日は特に、丸いつぶつぶがたくさん入っていて、除湿すると下に水がたまるタンクタイプについてお話します。
――そもそも、あの丸いつぶつぶは何なのでしょうか?
【担当者】 あの丸いつぶつぶは「塩化カルシウム」と呼ばれるもので、冬に道路の融雪剤としても使われています。
――湿気をとるだけでなく、雪を溶かすのにも役立つのですね。
【担当者】 塩化カルシウムは、“空気中の水分を吸って溶ける”という性質を持つとともに、“水に溶けるときに熱を出す”という性質も持っています。ですから、夏のジメジメ対策から冬の凍結防止まで、まったく異なる季節の悩みを解決してくれる、二刀流の頼れる化学物質なんです。
――なるほど、水分を吸いやすいんですね! ちなみに、空気中の水分を吸うと丸いつぶつぶはだんだんなくなり、水が出てきますよね?
【担当者】 それが、塩化カルシウムが水に溶けた証拠です。塩化カルシウムの粒は最初はサラサラの粒なのですが、空気中の水分を吸収、つまり吸湿すると固まってきて、最後は溶けて水になります。
――除湿剤のタンクにたまっているのは塩化カルシウムが溶けた水で、真水ではないんですね。
【担当者】 その通りです。ただ、組合員さんから「除湿剤を置いてからしばらく経っているのに水が出ていない」というお問い合わせをいただくことがあります。





