夏の暑い時期にかき氷やアイスクリームなど冷たいものを食べると頭が“キーン”となる現象を「アイスクリーム頭痛」といい、体験したことがある人も多いでは? 起こるメカニズムと対処法を、All About『医師 / 家庭の医学』ガイド・清益功浩先生に聞きました。

☆☆☆☆
清益先生によると、アイスクリーム頭痛が起こるのには2つの仮説があるそうです。
【仮説その1:血流によるもの】
「冷たいものを食べると口の中の温度は急に低下します。それに対して、体は反射的に体温を上げようと血管を拡張させるため、血流が増えることになります。こうした血管の動きが脳の血管に刺激及び炎症を起こし、頭痛が起こるのではないかというものです」(清益先生)

【仮説その2:三叉(さんさ)神経によるもの】
「冷たいものが口やのどを通過するとき、口の中の三叉神経が刺激されます。この冷たさを痛みとして感じることで頭痛が引き起こされるというものです。口内の冷たい刺激が自律神経を刺激することが原因になっているケースもあります」(清益先生)

アイスクリーム頭痛が起きないよう、冷たいものをおいしく味わうための対処法を聞くと、「まずはゆっくり食べることを意識すると良いです。また、口の上側の奥にある口蓋(こうがい)に冷たいものがあまり触れないようにするのも効果的」と清益先生。さらに、「冷たいものを食べる前に水などを飲み、口の中の温度を下げておく。そうすると温度差による刺激が軽減されるので、頭が“キーン”となりにくい可能性があります」とのこと。
☆☆☆
しばらく暑い日が続きアイスやかき氷など冷たいものを口にする機会が増えると思いますが、一度に多くの量を口の中に入れず「ゆっくり食べる」を意識することがおいしく味わうコツのようです。
(取材・文=堀田将生)




