かつて日本一の総合商社と呼ばれた「鈴木商店」。その波乱の歴史の“その後”を描く講談会「鈴木商店 百折不撓~知られざるその後~」が、11月から12月にかけて、神戸新聞松方ホール(神戸市中央区)などで開かれます。読み手は旭堂南龍(きょくどう・なんりゅう)さんです。
鈴木商店は、明治期に神戸で創業し、大正時代には財閥をもしのぐ規模へと発展。しかし、米騒動による本店焼き討ちなどの影響を受け、1927(昭和2)年に破たんしました。今回の講談は、破たん後も人材や事業が各地で息づき、日本の産業を支え続けた知られざる史実に焦点を当てます。
南龍さんは、「鈴木商店は日本一になって焼き討ちされるまでが有名ですが、その後にも“何度でも立ち上がる”物語がある。昔の人の生きざまから何かを持ち帰ってもらえたら」と語ります。公演では当時の写真や漫画をスクリーンに映しながら約1時間20分、休憩なしで語る新たな試みに挑戦。「講談に視覚的要素を加えることで、知的好奇心をさらにくすぐられるはず」と意気込みます。

今回の企画は鈴木商店ゆかりの企業の協賛で実現。港湾や教育関係者ら100人を招待し、神戸の歴史と産業の精神を次世代に伝える狙いもあります。2027年には神戸開港160年、鈴木商店破たんから100年の節目を迎え、創業の地に新たなモニュメントを設置することも計画されています。
鈴木商店を源流とする総合商社で、同講談会を特別支援という形でサポートする双日の担当者は、「意外と、『へぇー、そうなんだ!』という史実がたくさんある。おそらくこの講談を聞いたら、皆さんが思っている鈴木商店とはまったく違う形の鈴木商店がイメージできるのではないかなと思う」と、今回の講談の聴きどころを語っていました。
講談会「鈴木商店 百折不撓~知られざるその後~」は、11月7日に神戸新聞松方ホール、11月24日・28日・30日に神戸新開地・喜楽館、11月27日と12月1日には神戸・元町のWADAホールで開催。料金は2500円。8月7日からローソンチケットで一般発売が始まります。






