例えるならドブ川? クサさ危険度世界一の缶詰「シュールストレミング」 開け方・食べ方のコツとは | ラジトピ ラジオ関西トピックス

例えるならドブ川? クサさ危険度世界一の缶詰「シュールストレミング」 開け方・食べ方のコツとは

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 スウェーデンの缶詰「シュールストレミング」といえば、その凄まじいニオイが特徴で“世界一臭い食べ物”として知られています。日本では馴染みのないこの食品について、「日本発酵文化協会」(所在地:東京都港区)の藤本さんに詳しく聞きました。

シュールストレミング(イメージ)

☆☆☆☆

「シュールストレミングはニシンを塩漬けにし発酵させたものです。つまりキムチやヨーグルトと同じカテゴリー。強烈な臭いは『くさや』の6倍と言われています」(藤本さん)

 とはいえなかなかどんな匂いかいまいちピンと来なかった筆者。他の例えをしてもらったところ「魚醤(※)と塩辛、そしてドブをまぜた感じのニオイです」という回答が。

※青魚やイカ・エビ等を塩漬けにして発酵させ、エキスを抽出した調味料。タイのナンプラー、ベトナムのニョクマム、北陸地方のいしるなどがある

ドブのニオイって……(イメージ)

 発酵由来の香りなので身体や髪についた匂いは洗剤などで洗えば落ちるとのことですが、室内で開封すると悲惨なことに。根強く匂いが残ってしまうそうです。そのため同協会主催の「シュールストレミングを開ける会」をおこなう際は、川の近くなど屋外に移動するのだとか。このように開封するだけでもリスキーな缶詰は、一体どんな風に食べたらいいのでしょうか。

「クラッカーや薄めにカットしたバケットに合わせて食べるのがおすすめです。カットトマトやオリーブオイルと酢と塩胡椒に漬け込んだ玉ねぎのみじん切り、クリームチーズやカッテージチーズなどを合わせても」と藤本さん。至ってシンプルかつ、シュールストレミングでなければ「ちょっとオシャレ」とすら思える食べ方を教えてくれました。

シュールストレミングの食べ方の例(イメージ)

 シュールストレミングの歴史は古く、14世紀ごろから存在するのだとか。藤本さんによると「食糧難の時代、冷蔵庫のない時代に生まれた食べ物です。匂いも含めてシュールストレミングなのです。とはいえ強烈すぎて、異臭騒ぎと勘違いし警察が出動する……なんていう真偽不明な噂も出ていますが(笑)」とのこと。

 地元の人々の反応を聞いたところ藤本さんは次のように述べました。

「以前スウェーデンに住んでいた生徒さんに いわく、普通にスーパーマーケットなどで売っているそうです。ただ、『好物だ』と言う人はあまり見なかったと聞いています」

☆☆☆☆☆ 

 シュールストレミングは輸入食品店やネット通販を利用すれば、日本でも入手可能です。チャレンジすることで、新しい味覚を発見できるかも……?

(取材・文=つちだ四郎)

【取材協力】日本発酵文化協会
HP
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