8月の『暦』に見る“季節のうつろい” 神職に聞く「立秋」と「処暑」

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 続いてやってくるのが「処暑」で、毎年8月23日ごろにあたります。「処(しょ)」には「おさまる」という意味があり、「暑さがやわらぐころ」を指す節気です。

 尾崎さんいわく、「立秋よりも体感的に少し暑さが和らいできたな、と思えるのが処暑です」とのこと。実際の太陽の動き(姫路市)は以下の通りです。

◆処暑(8月23日ごろ) 日の出:午前5時27分/日の入り:午後6時40分

 夏至と比べると朝は39分遅く、夜は38分早いですね。

 朝晩にはひんやりとした空気を感じるようになり、稲穂も色づきはじめて秋の準備が整ってくるのがこの時期。ただし、同時に台風シーズンにも突入するため、気象の急変にも注意が必要な季節でもあります。

 尾崎さんによると、立秋は暦のうえでの秋のスタートではあるものの、体感はまだ真夏。「処暑はようやく暑さが落ち着きはじめるころで、本格的な秋への助走期間といえます」とのことでした。

 ちなみに、播磨国総社射楯兵主神社では、処暑を過ぎると七五三の準備がはじまります。暑さのなかにも、次の季節の気配が確かに近づいているのですね。

 暦が教えてくれる、ゆるやかな季節の変化。「今日は暑いな」と感じる毎日のなかで、暦を意識してみると、私たちの暮らしに寄り添う静かな自然のリズムがみえてきます。

 立秋と処暑。2つの節気に込められた意味を知ることで、暑さのなかにも秋の気配を見つけられるかもしれません。

(取材・文=洲崎春花)

※ラジオ関西『谷五郎の笑って暮らそう』2025年8月3日放送分より

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