大阪・関西万博のEXPOホール・シャインハットで8月18日、チェコと日本の合同人形劇『チャスラフスカ ― 東京 ― 1964』が上演され、約1000人の来場者がチェコの激動の歴史と舞台芸術に触れた。
(C)Kancelář generálního komisaře, EXPO 2025, Světlana Mašková
ヒロインは、1964(昭和39)年の東京オリンピックで、女子体操個人総合、平均台、跳馬で金メダルに輝いたベラ・チャスラフスカ(1941〜2016)。
その美貌とダイナミックな演技で日本中を魅了し、「東京の恋人」「オリンピックの名花」と呼ばれ、絶大な人気を誇った。

チェコ人形劇界を代表するピルゼン・アルファ劇場と人形劇団プーク(東京都渋谷区)の共同制作。
人形劇、影絵、ストーリーテラーによる語りを織り交ぜ、1960年代の日本のテレビスポーツ中継風に展開していく。昨年(2024年)、プラハ児童演劇フェスティバル最優秀作品賞などを受賞した。
中でも、東京オリンピックの個人総合で金メダルを獲得した故・遠藤幸雄氏との親交を再現したシーンでは、チャスラフスカに、“日本の体操”の技術だけではなく、生き方そのものにも影響を与え、最強の体操選手となっていくさまをきめ細やかに表現している。
物語はここで終わるが、チャスラフスカはその後、1968年のメキシコシティーオリンピックでも個人総合連覇を達成し、床、段違い平行棒、跳馬でも金メダルを獲得する。
しかし、その2か月前にソ連軍がチェコスロバキアの民主化を圧殺するためにプラハに侵攻した、いわゆる「プラハの春」が勃発。







