全国で推計146万人に上るとされる「ひきこもり」。神戸市でも1万8300人に相当すると見込まれ、家族からの相談は年間2400件以上にのぼります。市は当事者や家族が気軽に相談できる環境づくりに取り組んでいます。
その一環として登場したのが、神戸ひきこもり支援室のイメージキャラクター「これカラ」です。卵の形をした「これカラ」は、殻で自分を守ってきた人が、少しずつ自分のペースで殻を破り、生き方を見つけてほしいという思いが込められています。
支援室の担当者によると、当事者への聞き取りで、インターネットやゲーム、動画サイトを利用する人が多く、「ひきこもり」や「相談」という言葉に抵抗を感じる人もいることがわかり、支援の内容を気軽に知ってもらうきっかけとしてキャラクターを活用することにしたといいます。
「これカラ」を使った4コマ漫画も公開。内容は、誰にでも起こり得ることとしてのひきこもり、家族ができること、そして気軽に相談に踏み出すことをテーマにしています。
支援室では、家族向け教室や居場所の提供、参集型・オンラインの居場所も運営。オンラインでは自宅から参加でき、他の参加者と経験や知識を共有できます。生活リズムを整えるというものから、就労・社会参加に向けた支援まで、段階に応じた取り組みも行っています。
その相談員は家族以外の第三者として、生活状況や課題を聞きながら、一緒にこれからの生活を考える役割を担います。本人でなくても、家族が相談することが、社会とのつながりの第一歩になるとされています。
湊川神社西側・市立総合福祉センター1階にある支援室での相談受付は、平日午前9時〜午後5時。電話、来所、メール、オンライン面談にも対応しているとのことです。
・担当者コメント
「ひきこもりは誰にでも起こり得ることです。親の甘やかしや本人が怠けていると見られる場合もありますが、それは誤解や偏見です。一人で抱え込まず、できるだけ早く悩みを聞かせてほしいと思います。支援室では、相談員が現在の生活状況を伺いながら、これからの生活について一緒に考えていきます。本人でなくても、家族が相談することが、本人と社会をつなぐ第一歩になります」
なお、「ひきこもりへの理解を深め、当事者やその家族を孤立させないために何が必要なのかを一緒に考えよう」と、支援室が主催する市民向けオンライン講演会が、9月から11月までの3か月間、開講されています。
内容は、神戸市看護大学の教授の講義や、ひきこもり経験者による座談会など。人気ラジオパーソナリティーの南かおりさんが進行を務めます。参加は無料で、対象は神戸市内に在住・在勤・在学する、ひきこもり支援に関心のある人。参加方法などの詳細はイベントの特設サイトに掲載されています。






