「入院中に一緒に頑張ったお友だちと、お菓子の家をつくって食べたい」。そんな5歳の女の子の夢が、15日、叶った。明石市内に住む大森結依ちゃん。小児がんと診断され、2023年3月から翌24年末まで、入院生活を送った。この日、入院生活を共に過ごした友だちと、お菓子の家づくりに挑戦。思い切りお菓子を口に運んだ。

「入院中は、薬や注射もですが、厳しい食事制限がある。生ものはダメ。乳製品やクリームもダメなのでお菓子もNGです」と、サポートを担当した認定NPO法人ジャパンハートの吉岡春菜理事長は話す。
結依ちゃんの夢は「入院中は強い注射やお薬をいっぱい頑張った。みんな頑張った。一緒に頑張ったお友だちと一緒にお菓子の家をつくってお腹いっぱいみんなで食べたい」というもの。株式会社イオンファンタジー(所在地・千葉県千葉市)の社会貢献活動「ララゆめ~ララちゃんが夢をお手伝いします!~」に応募し、寄せられた1048件の中から選ばれた10の夢のひとつが結依ちゃんの夢だった。
「(入院中は)お外にご飯に行けず、お外で遊ぶこともできなかった。お薬が一番しんどかった」と話す結依ちゃん。支えになったのは、同じように病気と闘う友だちの存在だった。今ではみんな退院し、通院による治療が続いているという。
この日は、入院中に出会った友だちとそのきょうだいが「集合」。スタッフから説明を受け、お父さん・お母さんの手を借りながら、それぞれが自分だけの家をお菓子でつくりあげていった。壁はウェハース、屋根やドアはビスケット、ドアノブはグミ……チョコペンを接着剤として組み立てていく。「くっついたー」「あ、取れちゃった」といった声があちらこちらで上がる。部屋の中は甘い香りが広がり、つまみ食いする子も。最初は恐る恐るお菓子を触っていたが、慣れてくると、キャンディやドーナツ、カラフルなチョコスプレーで「大胆に」「モリモリ」に飾りつけ、それぞれの思いが詰まった「夢のおうち」が完成した。「入口のドアに向かう道にこだわった」「煙突つけた」などそれぞれお気に入りがあり、結依ちゃんも、「屋根から滑り台をつけたのがポイント」と笑った。









