ファストフードの定番・マクドナルド。関東では「マック」、関西では「マクド」と呼ぶのは有名な話。なぜ東西で呼び方が分かれてしまったのでしょうか? 関西大学文学部教授 日高水穂教授に話を聞きました。

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日高教授によると「東京と大阪が日本の東西それぞれを代表する都市」という背景があるとのこと。いずれも日本国内にカルチャーを巻き起こすほどの影響力を持つ街であり、新しい言葉を生み出す力が強いのだとか。
東京で生まれた言葉(呼び方)はテレビや雑誌などのメディアを通じて全国に普及しやすいといいます。一方、大阪は「自分たちの言葉」を大事にする傾向があり、独自の言い方を残すケースが多いと日高教授は説明。
「マクドナルドの場合、“マック”呼びは関東から全国に広がり、関西は“マクド”呼びを独自に生み出し定着させたと考えられます」(日高教授)

とはいえ、“関西発の言葉”が全国に広がるパターンも。たとえば「めっちゃ」。もともとは1980年代の関西の若者言葉でしたが今では全国区に。最近だと「それな」や「知らんけど」も関西弁から広がった言葉です。関西のユーモアやノリのある文化が、言葉の伝わり方にも影響を与えているのかもしれません。

「言葉は常に変化しています。これからは外来語やカタカナ語がますます増えたり、SNSを通じて“打ち言葉”が広がったりすることも予想されています。さらに、伝統的な方言が弱まりつつ標準語と混ざった“中間方言”が各地で生まれる可能性も」と日高教授。
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日本の東西における言葉の違いは、これからも「おもしろい文化」として発展していくのかもしれませんね。





