大阪・関西万博も、閉幕まで残りわずか。連日多くの人でにぎわいました。そのなかで、今回、特に人気を集めていたのが、「スタンプラリー」です。老若男女が各パビリオンなどでスタンプを集め、万博の思い出作りを楽しむ姿がそこかしこで見られました。今回は、そのスタンプラリーの歴史をたどりつつ、現在のトレンドなどを文具・印章メーカーの担当者に聞いてみました。
日本でのスタンプラリーの原点は、なんと室町時代にまで遡ります。四国八十八箇所霊場巡拝や西国三十三所巡礼では、写経を奉納した証として御朱印や納経印をもらい、「納経帳」に収める習慣がありました。江戸時代には「七福神巡り」なども広まり、庶民に親しまれたそうです。
明治時代には鉄道や郵便制度の整備とともに「消印」が登場。その印影を収集して楽しむ人々が現れ、“スタンプ文化”が芽生えます。そして1970年の大阪万博で、各パビリオンに設置された「スタンプコレクション」が爆発的な人気を呼び、スタンプラリーが一気に広がりました。翌年には国鉄の「ディスカバー・ジャパン・キャンペーン」が始まり、全国の駅にご当地スタンプが置かれるようになったことも大きな転機に。そして、スタンプラリーという言葉が一般化したのは1980年代。その後、1985年のつくば科学万博でも実施され、全国へと浸透していきます。
現在では、従来のスタンプに加え「重ね捺(お)しスタンプ」「デジタルスタンプ」など新しい形も登場しています。
大阪・関西万博で公式スタンプラリー事業を受託するシヤチハタ株式会社広報室の櫻間さんによると、重ね捺しスタンプのきっかけは、2005年愛知万博(「愛・地球博」)の「浮世絵スタンプ」とのこと。日本文化をスタンプで表現できないかという発想から、一色ずつ判を分け、重ねることで浮世絵のような多色表現ができるように。今では企業や自治体にも導入され、大阪・関西万博のコモンズ館と国際機関館でも体験できます。
また、最近では「サウンドスタンプラリー」も登場。鉄道会社のイベントで採用された際は、スマホで実際の駅名アナウンスを読み取ると、デジタル上でスタンプを集めることができる仕掛けでした。スタンプ台を置くスペースが不要なため、景観を損なわず、誰でも気軽に参加できるのが特徴です。
今、万博で販売されている「スタンプパスポート」は、当初の目標を大きく上回り、7月末時点で累計80万部を突破。開発者が工夫したデザインで、押すスペースだけでなく地図や写真も掲載されており、訪れた証を残せる一冊になっています。





