『全面的キャッシュレス決済』おおむね良好!ポスト大阪・関西万博、現金志向根強い日本で行動変容は?

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 また、現金志向が高いと言われる日本でも、利便性の高い環境を用意すれば、高齢者を含む消費者にキャッシュレスが受け入れられる素地が十分にあることが確認できた意義は大きいととした。

河本健一・博覧会協会企画局長「日本のキャッシュレス社会の推進に向けたレガシー(遺産)に」〈2025年11月17日 大阪市住之江区〉

 博覧会協会の河本健一企画局長は、「日常生活でのキャッシュレス利用意欲の向上という、社会全体に行動変容の兆しがある。大阪・関西万博で得られた膨大なデータが、日本のキャッシュレス社会の推進に向けたレガシー(遺産)になる。データ有効に生かし、社会のキャッシュレス化をさらに進めることができれば」と話す。

SMCCによる三井住友カード決済データによる分析
万博来場後30日で「キャッシュ決済の普段使い」の傾向が また大阪府在住者のキャッシュ決済比率が東京都と比べて2.5〜5.0ポイント上がった

 このほか、全面的キャッシュレスにしたことで、現金管理の手間の削減等業務効率の向上や、現金取り扱いリスクの削減を実感した店舗は9割を超えた(※2)。現金管理の通常の店舗と比較すると、決済関連作業に要する合計時間は約10分の1に短縮され、レジ1回当たりの決済時間は27秒短い29秒と、約2分の1の高速化を達成できた。

 決済時間の短縮による店舗の回転率の向上は、特に多くの人が集まる大規模イベントなどでは効果が大きいと考えられる。また、参加店舗を対象としたアンケートでは、7割を超える店舗が「今後もキャッシュレスを取り入れたい」と回答しており、事業者側もキャッシュレス決済普及に期待を寄せる。人手不足の深刻な「高止まり」状態が続く日本で、効率化をどう進めるかが問われる中で参考にもなる。

博覧会協会企画局・谷川淑子参事「分析結果が波及効果を生み、キャッシュレス化が推進されることに期待」

 博覧会協会企画局・谷川淑子参事は、「分析データは来場者と店舗運営者、それぞれの声を反映している。ポジティブな評価が多く、分析結果が波及効果を生むことを期待したい」と話す。

「業務の効率化」「現金を扱うリスク回避=セキュリティ向上」についての評価が高い

 万博会場内におけるキャッシュレス決済手段はクレジットカードが最多で5割弱。次いでコード決済、電子マネーの順。コード決済では「PayPay(ペイペイ)」の比率が高く、電子マネーでは「ICOCA(イコカ)」「Pitapa(ピタパ)」の利用が目立ったという。 会期が進み、来場者数が増えるにつれて利用額も増加したが、決済手段としての比率に大きな変化はなかった。

 万博来場者者の特徴として、日本人リピーターの来場1回あたりの利用金額は、来場回数が増加しても大きく減少することはなく、20 回目の来場時点で1〜5回目の来場と比較すると、約5%(450 円)の減少にとどまったという。
博覧会協会の分析では、会期中にナショナルデーなどのイベントが連日行われたほか、 様々なグッズの限定商品などの入れ替えがあり、「飽きのこない万博」を実現したことが一因と考えられる。また万博会場でキャッシュレス決済をしたインバウンドは万博会場以外の観光に向かう傾向があった。

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