騎手←なぜ“ジョッキー”と言うの? 勝負服←ハデな理由とは? 有識者が教える「競馬の豆知識」

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 昨日はG1レース・有馬記念でした。人気投票で選ばれたサラブレッド達による年内最後の熱き戦いは、多くのファン達が熱狂するなか幕を閉じました。 さて、近年ドラマやゲーム・アニメの影響により、競馬は若者からも注目を集めているといいます。そこで、競馬に関する豆知識を『乗馬メディア EQUIA(エクイア)』の担当者に教えてもらいました。

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●騎手のことを「ジョッキー」と呼ぶのはなぜ?

 競馬の祖国・イギリスでは、見知らぬ人のことを「ジャック」と呼んでいました。ジャックとは「ジェームス」や「ジョン」のあだ名で、英語圏では男性一般を指して使われることもあるそう。スコットランドではジャックではなく「ジョック」と言い、馬の世話係の少年や競馬好きを総称して「ジョッキー」と呼んだそうで、これが由来とされています。「ジョッキー=騎手」となったのは、騎手・調教師・馬主などが分業された19世紀に入ってからだとか。

●「勝負服」はなぜ派手なのか?

「識別性」を第一に考えられているからです。遠目からでも分かるように鮮やかな原色が多用されているのだとか。基本的に「胴」「袖」「襟」の3パーツに分かれており、それぞれに色や柄が割り当てられています。この構成はデザインのバリエーションを豊富にするだけでなく、どの角度から見ても騎手を判別しやすくするという役割も果たしているとか。また、レース中の混乱を防ぎ、公正な判定を担保する目的もあるそうです。

●柄がシンプルな理由

 勝負服の柄はストライプ・ダイヤモンド・水玉などが主流です。騎手は馬の背で激しく上下するため、複雑なデザインではブレてしまい認識しずらくなるとか。シンプルな柄は、激しい動きの中でも視認性を保つ効果があるといいます。

●3頭の馬から始まったサラブレッドの歴史

 サラブレッドは英語で「Through(徹底的な)bred(品種・血統)」という意味。世界ランク1位に輝いた「イクイノックス」、北島三郎氏が所有した「キタサンブラック」、無敗でクラシック三冠を達成した「ディープインパクト」、芝G1レース9勝の最多記録を打ち立てた「アーモンドアイ」を始めとし、今でこそ数多くのサラブレットが存在していますが、なんと“たった3頭”の馬から始まったのだそうです。これを「三大始祖馬」と言い、その中でも現代のサラブレッドの父系を遡っていくと、じつに約98%が「ダーレーアラビアン」という馬にたどり着つくのだとか。

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 かつて日本は競馬後進国と言われ、ヨーロッパの馬に勝つというのは夢のような話でした。しかし、昨今では日本生まれの競走馬が世界の舞台で活躍し、堂々と渡り合えるように。「世界最高峰の戦い」と称される、フランスの凱旋門賞で1着を獲る日は近いかもしれません。

(取材・文=堀田将生)

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