国立文楽劇場(大阪市中央区)は、2026年1月3日(土)から「令和8年初春文楽公演」を開催する。恒例の公演で、28年ぶりの上演となる待望の大作をはじめ、定番の名作、新春をことほぐ華やかな舞踊劇まで、バラエティーに富む5作品を披露する。同月27日(火)まで。
第1部(午前11時~)、第2部(午後2時30分~)、第3部(午後6時~)の3部構成。幕開けを飾る第1部では、祈りと祝いの趣を舞に込めた「寿式三番叟(ことぶきしきさんばそう)」と、悲劇と情愛が入り交じる名作「摂州合邦辻(せっしゅうがっぽうがつじ)」の「合邦庵室の段」を上演する。
注目は、28年ぶりに上演される第2部「新薄雪物語(しんうすゆきものがたり)」。人間国宝に認定されている人形遣い3人全員が同作「園部兵衛屋敷の段」で共演する。鎌倉将軍家の時代、勢力争いに巻き込まれた恋仲の若い男女を救おうと、それぞれの親が重大な決断を下す物語で、吉田和生(お梅の方)、桐竹勘十郎(幸崎伊賀守)、吉田玉男(園部兵衛)の豪華キャスティング。それぞれ初役で、卓越した芸を競い合う。
第3部は、夫婦の情愛を描いた「壺坂観音霊験記(つぼさかかんのんれいげんき)」(「沢市内より山の段」)で幕を開け、国立文楽劇場では20年ぶりとなる「連獅子(れんじし)」で締めくくる。雄獅子(父)と子獅子が登場する歌舞伎と異なり、雌獅子(母)もそろうのが特徴的で、三者が織りなす力強い舞が見どころだ。
国立文楽劇場では、新春を祝う縁起物「にらみ鯛」(横幅約2.5メートル)と来年の干支「午(うま)」の文字をあしらった「大凧」を舞台上に設置。公演初日(3日)午前10時10分ごろからは、劇場正面玄関前で文楽人形による鏡開きと樽酒の振る舞い(先着順、数量限定)を行う。上演期間中、1階ロビーにお茶席を設け、「新春茶会」も開く(抹茶と和菓子のセット、500円)。
チケットの予約・問い合わせは国立劇場チケットセンター0570-07-9900。





