食用こんにゃくが「タオル」に? 江戸時代の知恵いかした“地域資源活用”の取り組み【兵庫・多可町】

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 江戸時代に使われていたとされる素材の活用法を現代の暮らしに合わせカタチにした取り組みが、兵庫県北播磨地域の多可町で行われているそうです。一体どういうものなのか取材しました。

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 多可町では、古くから「凍蒟蒻(こおりこんにゃく)」の製造が行われてきました。しかしながら、この伝統的な地場産業はいまや衰退しつつあるそう。そこで、食用にとどまらないこんにゃくの活用を模索して今回の取り組みは生まれたのだとか。

氷蒟蒻(イメージ)

 調べていくうちに、気になるアイテムを見つけた筆者。その名も「つやの子 こんにゃく生タオル」なるもの。前述した同町の特産品、食用の氷蒟蒻をそのままタオルにしたというものです。

 こちらを開発した株式会社す・なお(兵庫県多可郡多可町)の代表である藤原尚嗣さんによると、江戸時代には、こんにゃくが赤ちゃんを洗うために使われていたとされ「刺激の少ない素材」として生活の中で親しまれていたとか。こうした“先人の知恵”を手がかりに「ベビーの肌にも使えるような、優しい商品が作れないか」と考え開発に至ったといいます。加えて「地場産業を盛り立てるため、何か役に立てれば」という地域への思いがあったと藤原さん。

こんにゃく生タオル(株式会社す・なおInstagramより)

 同アイテムは食べるこんにゃく100%で作ったスキンケア用のタオルで、洗い心地に特化しているとか。一般的なスキンケア用品では、使いやすさや耐久性も重視されますが、藤原さんは「あえてそうした点を抑えています。柔らかさはありますが、スキンケア用品としては少し“とがった”特徴のある存在です」と説明します。

食用こんにゃく100パーセントで出来ているタオル(株式会社す・なおInstagramより)

 赤ちゃんや敏感肌の人を中心に使われており、石けんを使わず湯を含ませて体を洗うといった、素材の特性を生かした使い方が特徴で、昨年4月の発売以降、累計で約5万枚が販売されたということです。また、SNSで紹介された動画の中には、1000万回以上再生されたものもあり、こうした発信をきっかけに海外からの反響も寄せられています。

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「地場産業を現代の生活にどう生かすか」という試みは、地域資源の新たな可能性を示す一例といえそうです。

(取材・文=濱田象太朗)

繊細な肌を持つ人々に支持されているという(イメージ)
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