■神子畑選鉱場跡
最後に訪れたのが、朝来市にある神子畑選鉱場跡。明延と生野を結ぶ中間地点として、鉱石を種類ごとに分別する重要な役割を担っていました。斜面をいかした巨大な施設と、「シックナー」と呼ばれる円形の建造物は、いまも、訪れる人々の目を引きます。

ここでは、鉱石を細かく砕き、水と混ぜ、比重の違いを利用して銅・亜鉛・錫を分別。汚水を沈殿処理し、水を再利用する仕組みも整えられていました。このシステムは、大正時代に築かれたのだそう。合理的なシステムに、日本の近代化を支えた技術力を実感します。


鉱石の道をたどる旅は、単なる史跡巡りではありませんでした。採掘し、運び、分けるーー。その一つひとつの営みが、道の上に確かに残っていました。
鉱山での採掘や、それを運ぶ道。現地に訪れることで当時の人々の暮らしに触れることができ、「鉱石の道」のストーリーにますます興味が湧きました。過去と現在が重なり合う現場に立ち、日本の産業を支えた“道”の重みを、改めて感じる時間となりました。
(取材・文=洲崎春花)
※ラジオ関西「谷五郎の笑って暮らそう」より





