西洋美術の流れを一望する展覧会「西洋絵画400年の旅―珠玉の東京富士美術館コレクション」が京都市京セラ美術館(同市左京区)で開かれている。東京富士美術館(東京都八王子市)の所蔵品の中から西洋絵画の優品を紹介、ルネサンスから近現代まで約400年にわたるアート史を1つの展覧会でたどる試みだ。5月24日(日)まで。


同展は、約3万点の収蔵品を誇る東京富士美術館の中でも、とりわけ充実した西洋絵画コレクションから選んだ83点で構成。16世紀イタリア・ルネサンスを起点に20世紀の近現代美術に至るまで、美術史そのものを体感できる。
出品作家には、印象派のクロード・モネやピエール=オーギュスト・ルノワール、ポスト印象派のフィンセント・ファン・ゴッホ、さらに20世紀美術のマルク・シャガール、ルネ・マグリットらのほか、ティントレットやアントニー・ヴァン・ダイク、クロード・ロランといったオールドマスター(18世紀以前に活躍していたヨーロッパ絵画の巨匠)も名を連ねる。時代も様式も異なる巨匠たちの競演が、本展最大の見どころといえる。
展覧会は2部立て。第Ⅰ部では、ルネサンスから19世紀前半にかけての西洋絵画を取り上げる。当時は基本的に絵画が扱う主題=ジャンルによる格付けが存在し、大きな影響力を持っていた。
最も格が高いのは「歴史画」と呼ばれるジャンル。歴史や神話、聖書などの物語を目に見えるように再現したものは最重要視された。歴史画の次には、王侯貴族や富裕層など社会的地位の高い人々を描いた「肖像画」、その次には名もなき人々の生活を表した「風俗画」がランク付けされた。さらに人間以外のもの、自然や都市などの風景を描いた「風景画」が続き、命のない「静物画」が最下位だった。風俗画、風景画、静物画におけるモチーフは、元々は歴史画の一部として、いわば「脇役」として描かれていたものだったが、徐々に個別に描く対象として注目されるように。時代を経て、風俗画、風景画、静物画という別個のジャンルとして独立していった。
最初の見どころはナポレオンを主題とした3作品のコーナー。中でも有名なナポレオン伝説「アルプス越え」のシーンを表現した「サン・ベルナール峠を越えるボナパルト」(1805年、ジャック=ルイ・ダヴィッドの工房)は、白馬に乗り、赤いマントを翻した英雄が躍動感たっぷりに描かれた傑作だ。





