「冷やし中華は選択肢になかった」 どうとんぼり神座が40周年で挑んだ“冷たいラーメン”開発舞台裏

LINEで送る

この記事の写真を見る(9枚)

 今年7月19日に創業40周年を迎えるラーメンレストラン「どうとんぼり神座」。7月1日から期間限定で、初めて「冷たいおいしいラーメン」を販売する。

 冷たい麺メニューと聞けば、真っ先に「冷やし中華」を思い浮かべる人も多いはず。神座は創業40周年の節目に、新たな夏の定番を目指し、500回以上の試作を重ねて「冷たいおいしいラーメン」を完成させた。なぜ今回、冷やし中華ではなく、“冷たいラーメン”を選んだのか。商品開発に携わった理想実業マーケティング本部マーケティング部次長の小林沙弥さんに聞いた。

 神座では今回、「澄みきりお出汁の冷たいおいしいラーメン」(860円~)のほか、「豚しゃぶ梅しそおろし 冷たいおいしいラーメン」(1190円~)、「炙り小チャーシュー煮玉子 冷たいおいしいラーメン」(1260円~)の計3種類を展開し、一部店舗を除く全国の店舗で販売する。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

ーーまず、中華のお店、ラーメン屋さんなどでは、普通なら「冷やし中華、始めました」だと思いますが……。「冷やし中華」を出そうというのはなかったのでしょうか。

【小林さん】 40周年の今年に限っては、その選択肢はなかったですね。なぜかというと、私たちの看板商品の「おいしいラーメン」は、やはりスープが主役。40周年で、「冷たいおいしいラーメン」と銘打つからには、そこのスープを主役にするべきだろうというところです。「冷やし中華」は、スープを飲むというのではなくて、麺と具をつけて食べるものなので。

(写真:ラジオ関西)

ーーラーメンの冷たいスープは濃くなりがちだと思われますが、そこの調整に苦労したのでは?

【小林さん】 そこは本当にこだわったというか、一番苦労したといっても過言ではないです。500回の試食というのも、もうそこに尽きるという感じでした。本当にわずかな差で塩味が変わってきますので。だいたいいつも、A・B・Cのパターンでどれが一番いいかみたいな形で試食を重ねていました。その差も本当にわずかなものを毎回出して、みんなで飲んで、こだわったという感じですね。夏は冬と違って、汗をかいて少し体が塩分を欲したりするものですので、夏ならではの最適なバランスは模索しました。

ーー氷を入れた形でスープを出すということで、氷のとける時間も考えられているようでした。しかも、家で作るような画一的な氷ではないですよね。

【小林さん】 氷が溶ける過程というのも含めて、味は調整しています。だいたいお客様がこれぐらいで食べきれるかな、じゃあ氷はこれぐらい溶けるかなみたいなところは、実際に食べながら適切な量を模索しました。あとは、私たちはラーメン屋さんなんですが、おもてなしやきれいな店舗空間にも非常にこだわっていますので、ロックアイスを使うことによる見た目の涼やかさもお客様に感じていただきたいというのは、一つありました。

「澄みきりお出汁の冷たいおいしいラーメン」(写真:ラジオ関西)

ーー冷たいラーメンで使う生の白菜について、普段のあたたかいラーメンの白菜とは違った味わいで、いい意味で「漬物感」が出ているのが印象的ですが。

【小林さん】 通常のあたたかい「おいしいラーメン」は、スープと一緒に煮込むので、少しやわらかさだったり、甘みがより出たりするところがありますが、(「冷たいおいしいラーメン」は)夏に食べていただくものなので、歯ごたえのシャキシャキ感を通して食べ応えを表現しました。また、漬物感というか、少し塩味を意識しているところもあるので、そのあたりは冬と違った白菜の使い方として、そこも(開発)チームで一個、模索した点です。

ーーチャーシューも、あたたかいものとは使い分けされていますね。

【小林さん】 冷たいラーメン限定でチャーシューを炙らせていただいてます。この元はあたたかい「おいしいラーメン」で食べていただいているチャーシューですが、夏なので、より食欲がそそられるように香ばしく炙らせていただいてます。本当にスープが主役なので、冷たいものも、通常のものもそうですが、チャーシューがラーメンをちゃんと引き立てるような形で、全体の一品としてバランスが取れるようにというのは、私たちの全体的な開発方針としてあります。

LINEで送る

関連記事