ベッドから届ける書道作品 脳脊髄液減少症難病の作家 毛筆とiPadで広がる表現の世界

LINEで送る

この記事の写真を見る(7枚)

「寝たきりの書道家です。ベッドから作品を届けています。」

 そうコメントを添えて投稿された数々の書道作品が、Threadsで1万いいねを集めて話題になりました。投稿したのは、『脳脊髄液減少症』という難病を抱えながらも書道家・作曲家として活動を続けている星野希望さん。

難病を発症し、24時間寝たきりの生活をしながら作曲家・書道家として活動を続ける星野さん(提供:星野希望さん)

 今回投稿された作品は、すべてiPadで描かれた『デジタル書道』。カラフルでオリジナリティあふれる作品の数々に「文字の力強さと迫力に圧倒されます」「書道の文字に、初めて心をわしづかみにされそうになりました」と多くの反響が寄せられています。

デジタルだからこそできる表現に挑戦する星野さんの作品(提供:星野希望さん)

 数年前の交通事故をきっかけに、『脳脊髄液減少症』という難病を発症した星野さん。脳脊髄液減少症とは、脳を包み込み、浮かせる役割の脳脊髄液が何らかの原因で漏れ出してしまい、脳が沈んでしまう病気です。激しい頭痛や吐き気、めまい、全身の激痛などの症状が断続的に続くといいます。

 星野さんは、治療法であるブラッドパッチ手術(自身の血液を漏れている部分に注入し、髄液の漏れを塞ぐ治療)を過去に何度も受けたそうですが、効果がなく、対症療法である投薬や点滴の両方で、日々耐えしのいでいるとのこと。

 起き上がると髄液が漏れてしまい、症状が大きく悪化するため、現在24時間寝たきりの生活を余儀なくされています。活動できるのは、1日のうちのわずかな時間のみ…。その時間を使って、数年前からSNSで書道作品やピアノ演奏を発信している星野さんに、話を聞きました。

寝たきりピアニストとしても活動する星野さん(提供:星野希望さん)

筆で書く書道を諦め、すべての道具を処分したことも

 現在は、iPadで書く”デジタル作品”と毛筆で書く”書道”の両方に取り組んでいる星野さんですが、寝たきりになってから、一度は書道を諦めたことがありました。病気を発症後、幼少期から親しんでいる書道にチャレンジしてみたものの、やはり寝たきりでは思うように書くことができなかったのです。書く体勢も身体への負担が大きく、諦めざるを得ませんでした。

LINEで送る

関連記事