「玩具は文化財のかたまり」 9万点のコレクションがつなぐ、人々の記憶

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 姫路市・香寺町に位置する『日本玩具博物館』は、6棟の展示館に約9万点の玩具や人形を収蔵する日本を代表する玩具博物館です。館内には、日本各地の郷土玩具や世界各国の民芸玩具、近代玩具などが並び、子どもたちの遊びの歴史や地域文化を現在に伝えています。

日本玩具博物館 外観
『日本玩具博物館』外観

 同博物館を築きあげたのは、現在87歳の井上重義館長。鉄道会社で駅員や車掌として働いたのち、本社でPR誌『山陽ニュース』の編集を担当。その折に日本の郷土玩具研究家の著書と出会い、これをきっかけに収集をはじめたといいます。

 子どもの玩具は、各地の風土や暮らし、時代背景を映し出す“文化財のかたまり”ともいえます。しかし、評価されないまま姿を消していくものも少なくありませんでした。

「趣味ではなく、最初から『文化として残したい』という思いでした」と語る、井上館長。「失われゆく民衆の文化を後世に伝えたい」という使命感が、現在の博物館につながっているそうです。

6号館の特別展「ふるさとの節句人形~上巳・端午・七夕~」の展示の様子
6号館の特別展『ふるさとの節句人形~上巳・端午・七夕~』の展示の様子
6号館の特別展「ふるさとの節句人形~上巳・端午・七夕~」の展示の様子
6号館の特別展『ふるさとの節句人形~上巳・端午・七夕~』の展示の様子

 館内では、明治から平成までの玩具の変遷をたどることができます。天井に掲げられた大凧「鬼ようず」をはじめ、郷土玩具や人形の数々が来館者を迎えます。

 36年間にわたり同館を支えてきた学芸員の尾崎織女さんは、「眉間にしわを寄せて入ってこられた方が、展示を見終えるころには笑顔になって帰られるんです」「懐かしい玩具との再会が、子ども時代の記憶を呼び起こし、世代を超えた会話を生み出している」と語ります。

近代玩具の展示には、懐かしのゲームの姿も
近代玩具の展示には、懐かしのゲームの姿も

 博物館は、過去を保存するだけの場所ではありません。近年は、途絶えた郷土玩具の復活を目指す若い職人やデザイナーが資料を求めて訪れることも増えているそうです。古い玩具や制作資料が、新たな文化創造のヒントとして活用されているのです。

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