その後は、「桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)」へと移ります。春に咲いた桐の花が実を結びはじめ、植物が次の段階へ進んでいくころです。花が終わることは終わりではなく、新たな実りへのはじまりでもあります。
7月の終わりを締めくくるのは、「土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)」。梅雨の湿気を含んだ大地に強い日差しが降り注ぎ、日本らしい蒸し暑さが本格化するころを表しています。
暑さに目が向きがちな時期ですが、その一方で植物は大きく育ち、生き物たちも活発に活動する、生命力あふれる季節でもあります。
尾崎さんは、「七十二候には、自然のわずかな変化を見逃さず、暮らしの目安としてきた昔の人々の知恵が詰まっています」と話します。
暑さに追われる毎日だからこそ、吹き抜ける風や咲きはじめた花、少しずつ姿を変えていく木々に目を向けてみる――。七十二候は、そんな身近な自然の変化を通して季節を味わう楽しさを、いまも私たちに教えてくれているのかもしれません。
(取材・文=洲崎春花)
※ラジオ関西「谷五郎の笑って暮らそう」2026年7月5日放送分より





