「空っぽの檻」が伝える戦争 天王寺動物園で企画展 殺処分された動物たちの記録や剥製など展示

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 終戦の日を前に、天王寺動物園(大阪市天王寺区)では企画展「戦時中の動物園 ~空っぽの檻が教えてくれること~」が開かれている。第2次世界大戦中、戦争によって命を奪われた動物たちの記録や写真、剥製などを紹介、当時の悲惨な状況や平和の尊さ、そして命の重みについても考える展示だ。

企画展「戦時中の動物園 ~空っぽの檻が教えてくれること~」入り口

 第2次世界大戦中、日本では「空襲によって猛獣が逃げ出した場合、市民に危険が及ぶことを防ぐ」という理由から、多くの動物園で動物の殺処分が行われた。天王寺動物園も例外ではなく、1943(昭和18)年から44(昭和19)年にかけて、ライオンやトラ、ヒグマ、オオカミなど数多くの動物が命を奪われた。このことは「戦時猛獣処分」として知られ、東京・上野動物園のゾウは、「かわいそうなぞう」の物語として今も子どもたちに読み継がれている。天王寺動物園では殺処分のほかにも、エサ不足や寒さ、焼夷弾による火災などで多くの動物たちが命を落とした。同園には1935(昭和10)年、305種2380点の動物がいたが終戦の1945(昭和20)年には127種447点にまで減った。

 企画展では、天王寺動物園に残る貴重な記録や写真をパネルで展示。ライオンやカンガルーなど英語由来の種名を日本名に直したり、チンパンジーに軍服を着せ防毒マスクも付けて戦意高揚に利用するなど、戦時下の具体的な様子が紹介されている。

「軍事利用された動物たち」などの解説
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空襲を受けた大阪の写真
「平和の願いの木」。企画展の感想や平和への思いを書いた付箋が貼られている

 1943年、動物の殺処分が発令され、天王寺動物園の飼育員らは、大事に育てていた動物たちに毒入りの肉を与えざるを得なくなった。ためらいなく食らいつき、数分で死んたライオン、ゆっくりと毒が回り、一晩苦しんで息絶えたヒグマ。空腹のはずなのに、かたくなに毒入りの肉を拒んだヒョウは、数人がかりでロープを使い、首を絞めて絶命させたという。同年9月を中心に1944年3月にかけて天王寺動物園では計10種26頭の動物が殺された。

 展示では動物の種類とそれぞれが死んだ日が記載された表などのほか、ホッキョクグマ、ライオン、トラ、ブチハイエナ、シマハイエナ、そして毒入り肉を食べなかったヒョウの剥製も並ぶ。剥製は、動物が死んで80年以上が経った現在も天王寺動物園の収蔵庫に大切に保管されており、本展のような催しの際、一般公開されている。

殺処分された動物たちの剥製
毒入りの肉を食べず、絞殺されたヒョウの剥製
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