隊長を務めた生活安全企画課・原田正典警部(43)は、「自宅の片付けもままらない中、避難所で不安な夜を過ごしている人が多く、いかに不安を解消するか、また防犯意識をどう高めるかを考えた10日間だった」と振り返る。
そこで感じたのは、「阪神・淡路大震災を経験している兵庫の警察官ということもあり、感謝の言葉をかけられたことが、逆に励みになった」ことだった。
生活安全特別捜査隊・藤沢悦子警部補(55)は、10年前の熊本地震でも被災地に。
避難所で、「今回(の被害)は、比べものにならない」という声を多く聞いた。
しかし、ハード面での変化に気づく。食料や水の供給だけでなく、ペットの同伴避難サポート、物資を運ぶ手助け...。キッチンカーが出動した地域もあり、各地で起きた地震を教訓に、手厚い支援が行き届いていたことに驚いた。
だからこそ、「かつての災害時に比べ、被災者の不満の声を聞くことが少なく、警察からの防犯指導に耳を傾けていただける心の余裕を持っていた」と振り返った。


人身安全対策課・大畑宏行警部補(44)は初の被災地派遣だった。
東日本大震災、能登半島地震が起き、警察官としてずっと関わりたかったという。
倒壊した家屋、ガタガタの道路。目の前に広がる被災地の光景に言葉が出ず、「実際に(被災者へ)どんな言葉をかけたらいいのだろう」と悩んだが、現地で力強く元の生活を取り戻そうとする人々に接し、一人ひとりに時間をかけて、しっかり話を聞くことで、逆に元気を与えていただけた」と話す。

同課・村上実紀巡査部長(33)は、阪神・淡路大震災発生時は2歳。正直、地震の被害をリアルで見たことはなかった。
10年経ち、「また熊本で起きた地震。被災者の精神的なダメージも大きかったはず。しかし、大変な状況なのに、前向きな姿に心打たれた」と話す。
ある高齢者の女性は、夫がけがをして入院した。何気ない会話の中で、今後の生活の話題に移り、不安な気持ちを抑えきれずに思わず涙したが、「今の気持ちを打ち明けられて、心が軽くなった」と話したという。
総務課・稲光理恵警部補(43)も初の派遣だった。
「遠い兵庫から来てくれてありがとう」との言葉に救われた。
支援物資は充足しているが、仮設住宅に入居してからの生活で、自宅を再建できるのか、長い避難生活での体調かすぐれず不安な気持ちに。
しかし、「周りのみなさんに感謝しながら避難されている姿に力強さを感じた」という。
また、「小さな子どもと避難している家族は、子どものストレス発散場所をどう確保するのかが課題」とも話した。







