“嫌われ者”が地域の宝になるかも!? 外来植物をアロマオイルに 島根・三瓶山でSDGsな取り組み

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 島根県大田市と飯南町にまたがる三瓶山。その麓に、食事やカフェ、買い物などを通して地域の魅力を伝える「山の駅さんべ」では、ある“嫌われ者”を特産品とするべく取り組んでいるという。同施設を運営する、株式会社neccoの代表・梶谷美由紀さんに話を聞いた。

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 梶谷さんは、一度は故郷を離れ東京でおよそ20年間暮らしたUターン者。島根へ戻ったきっかけは、2011年の東日本大震災だった。

 子どもの頃は、三瓶を「山ばかりで何もない場所」だと思っていたが、外の世界を知ってから戻ると、故郷の景色は以前とは違って見えたという。「地元の皆さんが家庭菜園の野菜を持ってきてくれたり、優しく手を差し伸べてくれたり。自分の地元なのに感動してしまったんです。湧き水を汲んでコーヒーを淹れ、野草を採って食べたりする暮らしに触れて『本当はとても豊かな場所なんだ』と初めて気づきました」と話した。

「三瓶山」山の駅さんべのテラスからの風景

 そんな梶谷さんが取り組むのが、三瓶の自然を生かしたアロマブランド「SANBE Botanicals」。ブランドを代表する素材は、三瓶山や耕作放棄地に群生する「セイタカアワダチソウ」。秋になると黄色い花を咲かせるのが特徴の植物だ。しかしながら外来種であり、繁殖力が強い。国立公園内では生態系や景観を守るための駆除対象にもなっているが、じつは古くから薬草として活用され海外では「ゴールデンロッド」と呼ばれる精油も流通しているという。

「迷惑」「増えて困る」と地域でも嫌がられていたセイタカアワダチソウだが、梶谷さんは干して茶にするなどして普段の生活に取り入れていた。そうした中で、ふと「アロマオイルにしたらどんな香りになるんだろう」と思いつき蒸留会社へ送ってみたのだそう。結果、出来上がってきたのはすっきりとした香りだった。

セイタカアワダチソウ

「駆除するために刈り取るのなら、焼いたり捨てたりするのではなく、地域の価値として活用できないか」と考えた梶谷さんは、県の観光補助金を利用して小さな蒸留器を導入。摘み取りから蒸留までを体験できるプログラムを開始し、地元の団体や自然保護活動に取り組む人たちとも連携しながら商品化を進めた。ちなみに、約80キロのセイタカアワダチソウから採れる精油はわずか300ミリリットルほどだという。

 アロマオイルのほか気軽に香りを楽しめるファブリックウォーターや、大田市の海水から作られた藻塩を使ったバスソルトなども展開しているとか。こうした取り組みには、「地域にあるものの価値を見つめ直そう」という梶谷さんの思いが込められている。

蒸留器
「SANBE Botanicals」の精油

「100年先の三瓶に、子どもたちの笑い声を。」とは、同社が掲げるスローガン。一度離れたからこそ気づいた故郷の豊かさを、梶谷さんは未来へつなごうとしている。

「100年先と言われても、なかなか想像できませんし、壮大すぎる会社理念だと思います。でも、目の前にある地域の問題を一つずつ解決しながら毎日を過ごしていくことが、100年先の三瓶につながっていけばうれしい。これからも、子どもたちの笑い声が聞こえる地域であってほしいと思っています」と述べ、インタビューを締めくくった。

株式会社neccoの代表・梶谷美由紀さん
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