柳宗悦が「宝の山」とたたえた沖縄の美 大阪高島屋「琉球の民藝」展 染色や焼物など100点紹介

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 沖縄の豊かな工芸文化を、民藝運動の視点からあらためて見つめる展覧会「柳宗悦が出会った沖縄の美 琉球の民藝」が9日(水)から大阪高島屋7階グランドホールで開かれる。民藝運動の主唱者・柳宗悦が「宝の山」とたたえた琉球の染織や焼物、暮らしの道具など、約100点を一堂に紹介。会期後半には会場隣で全国各地の品々を集めた展示即売会も開催する。いずれも21日(月・祝)まで。

 今年は、2019年の火災で焼失した首里城正殿の再建が予定されている一方、柳宗悦、河井寬次郎、濱田庄司らが「民藝」の理念を確立してから100年という節目の年でもある。日本民藝館が主催する本展は、時代を超えて受け継がれてきた沖縄工芸の魅力と、その価値を早くから見いだした柳の眼差しを重ねて紹介する企画だ。

 柳宗悦(1889~1961年)は、宗教哲学者、美術評論家として活躍し、1925年に河井寬次郎、濱田庄司らとともに「民藝」という言葉を生み出した。名のある芸術家の作品だけでなく、名もなき職人たちが日々の暮らしのためにつくった器や衣服、家具などに宿る美に注目。「用の美」を唱え、日常の生活道具に新たな美的価値を見いだした。

柳宗悦 1933年、高島屋東京店にて撮影

 柳が沖縄の工芸に強く引かれるようになった背景には、同級生だった琉球王家尚家第21代当主・尚昌侯との縁があった。柳は1938年から4度にわたって沖縄を訪れ、色鮮やかな染織や、力強くおおらかな焼物など、沖縄の風土と暮らしから生まれた手仕事を調査、収集。こうした活動を通し、沖縄工芸の独自性と美しさを広く伝えていった。

 本展ではまず「柳宗悦と沖縄民藝との出会い」と題した序章で、柳が特に魅了された沖縄の紅型を、衣裳や型紙、柳自身の言葉とともに紹介。第1章「琉球の染物」では、沖縄を代表する染色技法である紅型を中心に展示する。19世紀の「苧麻水色地波枝垂桜楓梅紋様紅型衣裳」など、さまざまな色と意匠の作品が並ぶ。植物や動物、風景などを大胆に取り入れた文様からは、沖縄独特の自然観や美意識を感じ取ることができる。

木綿苧麻白地雲青海波菊牡丹文様紅型衣裳 (123.3×121.0㎝、19世紀)
苧麻紺地井桁に古の字松竹梅紋様紅型風呂敷 (48.5×49.0㎝、19世紀)

 第2章「琉球の織物」では、芭蕉布や絣などを取り上げる。芭蕉の繊維を利用した布や、幾何学的な文様を織り出した絣など、沖縄の気候や風土に適応しながら育まれた織文化を紹介する。華やかな紅型とは異なる、素材そのものの風合いや織りの技術に注目したい。続く第3章「琉球の焼物」は、壺屋焼や酒壺、抱瓶(だちびん)、皿、鉢など、実際の生活で使われてきた器を特集。「白掛色差線彫蓋物 壺屋」や「飴釉白打双耳仏花器 壺屋」「焼締按瓶 壺屋」などからは、装飾性だけを追求するのではなく、使うことを前提に生まれた素朴で力強い造形の魅力があふれる。

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