北斎が「北斎」を名乗った約18年間に光 あべのハルカス美術館で「HOKUSAI」展開催 巡回なし

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 浮世絵師・葛飾北斎が「北斎」の画号を名乗っていた時代に焦点を当てた展覧会「HOKUSAI ―北斎が『北斎』だった時代―」が来春から夏にかけて、あべのハルカス美術館(大阪市阿倍野区)で開かれるのに先立ち、このほど記者発表会が開かれた。米ボストン美術館のほか、日本国内の美術館40カ所以上から集めた貴重な浮世絵や肉筆画など計約350点を公開する展覧会で、会期は2027年5月22日(土)から7月19日(月・祝)まで。他館への巡回の予定はない。

「風流無くてなゝくせ ほおずき」 大判錦絵 個人蔵
「江都両国橋夕涼花火之図」 横大判錦絵 日本浮世絵博物館蔵

 北斎は生涯に何度も画号を変えたことで知られる。今回取り上げるのは、37歳だった寛政8(1796)年から54歳の文化10(1813)年まで、およそ18年間にわたる「北斎時代」。後年の「冨嶽三十六景」などで知られる北斎の姿とは異なる、いわば“働き盛り”の時期を特集する。

 この時期の北斎は、さまざまなジャンルに意欲的に取り組んだ。寛政後期以降には、絵入狂歌本に鮮やかな色彩の挿絵を描き、この分野の第一人者として活躍。文化期に入って読本が流行すると、戯作者の曲亭馬琴らと組み、物語の世界を豊かな想像力と卓越した描写力で絵画化した。圧倒的な画力と膨大な作画量によって、当時の読本ブームを支えたことも北斎の重要な仕事の1つだった。

「酔余美人図」 絹本着色一幅 氏家浮世絵コレクション
『画本東都遊』 版本 東北大学附属図書館蔵

 さらに、美人や名所、芝居などを題材とした一枚物の版画も数多く手掛けたほか、西洋画の表現を取り入れた洋風版画にも挑戦。注文に応じて制作する肉筆画にも精力的に取り組むなど、1つの表現にとどまらず、次々と新しい領域を切り開いていった。

 会場では、こうした「北斎時代」の活動を、絵入狂歌本、読本、摺物、洋風版画、肉筆画など多様な作品を通して紹介。約350点の中にはボストン美術館から12点、アメリカの個人コレクションからの5点の貸与も含まれ、初公開品もある。初摺など状態の良い作品が多いという。貴重なコレクションを通じて、1人の絵師が時代の需要や新しい表現にどう向き合い、活動の幅を広げていったのかをたどる構成となる。

「新板浮絵 新吉原大門口之図」 横大判錦絵 日本浮世絵博物館蔵
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