深刻なサイバー犯罪の増加への対応を強化するため、兵庫県警は9月1日、「サイバーセキュリティ・捜査高度化センター(通称・CSISセンター)」を新設した。
CSISは"Cyber Security investigation Sophistication"の略。すでに設置しているサイバー犯罪対策課とは別に、46人体制でサイバーセキュリティー対策や捜査支援を横断的に推進する。こうした本格的なサイバー対策の拠点を設置するのは警視庁、神奈川県警、北海道警に続き4件目。
発足式で、兵庫県警・吉岡健一郎本部長は「新型コロナウイルスの感染の増加に伴う在宅勤務の導入など、社会全体でオンラインの活用の機運が高まる中、サイバー空間の脅威に対して組織が一丸となり対処能力の強化を図ることが求められている」と訓示。
宮根正憲センター長は「インターネットなどサイバー空間が生活の一部となる一方で違法物の売買など犯罪は多発しているので、県民の期待に応えられるよう捜査力の向上を図りたい」と気を引き締めた。
警察庁によると、2019年のサイバー犯罪の検挙件数は全国で9,519件(前年比+479件)と過去最多。このうち兵庫では390件(前年比+49件)と、最多だった2017年の396件に迫った。2019年の兵庫での代表的な事案として、他人のポイントカード情報を利用して、コンビニエンスストアで加熱式たばこをだまし取った中国人男女らを不正アクセス禁止法違反容疑や詐欺容疑で検挙した例や、専用のソフトを使用しないとアクセスできないウェブサイト「ダークウェブ」を利用して得た他人のクレジットカード情報を使い、ゲームソフトを不正に購入し、転売していた男らを電子計算機使用詐欺などの容疑で検挙した例があり、年々手口の巧妙化が進む。