11月1日、大阪市を廃止し、4つの特別区(淀川、北、中央、天王寺)に再編する「大阪都構想」の住民投票(大阪市を廃止し特別区を設置することについての投票)が行われる。
大阪都構想は、2010年に結党した大阪維新の会が公約に掲げた。住民投票は2015年5月に約1万票差で否決されて以来、2度目。二重行政を廃止し、大阪市が手掛けていた都市計画やインフラ整備などの広域行政を大阪府に一元化し、教育や福祉といった住民サービスは新たに設置する特別区が担う。
都市開発で大阪府と大阪市は見苦しい争いがあった。象徴的だったのは、1990年代に建設された大阪市の旧「大阪ワールドトレードセンタービルディング(WTC)」(大阪市住之江区)と、府の「りんくうゲートタワービル(GTB)」(泉佐野市)。高さはWTCが256.0メートル(1193億円)、GTBが256.1メートル (659億円) で、わずか10センチを競ったとされている。 総額約1800億円という税金が費やされた。これが 「府市合わせ(=不幸せ)」と揶揄(やゆ)される一因となった。
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■大阪市北区・天神橋筋商店街 自営業男性(40代)・・・反対 『5年前はそれでよかった』
都構想、というか大阪市の廃止、大阪市自体がなくなったり、他の区の方が地名が少し変わることについては私は何とも思いません。実は5年前は賛成してました。当時は橋下(大阪市長)さんの大号令で、ひとつの熱みたいなものを感じて、勢いで「何か変わるのかな」という漠然とした気持ちでしたが、いま考えると、行政の内部では何かとスムーズになるでしょうが、市民の生活が変わるかというと疑問に思います。
特にコロナの影響は、私たち商売をする身には本当に辛い。経済状況が読めない中、イニシャルコスト(庁舎やシステムの整備などにかかる初期費用)は我慢して・・・、結局税金が上がると本当に立ち行かないです。そのままにしてほしいというよりは、無理して東京と肩を並べるようなことはしてほしくない。大阪・東京、それぞれの持ち味がある。大阪の4区と東京の23区、規模が違いすぎます。