2009年から2011年にかけて、 姫路市内や東京都内などで男性3人の殺害を指示したとして、殺人2件と逮捕監禁致死などの罪に問われた男(49)を一審に続き無期懲役とした大阪高裁の判決に対し、大阪高検が上告を見送ったことが16日までにわかった。
1月28日、二審・大阪高裁は、殺人2件のうち1件について証拠が乏しく無罪とした一審・神戸地裁姫路支部の裁判員裁判判決を支持。死刑を求刑した検察側、無罪を主張する弁護側双方の控訴を退け、無期懲役とした。
被告側はすでに上告している。検察側は一、二審で一貫して死刑を求刑していたが、上告を見送ったことで今後死刑判決が出る可能性はなくなった。
無罪認定されたのは、2009年から2010年にかけて、男が共犯者の男(54)と東京都世田谷区の広告会社社長の男性を連れ去り、姫路市内のマンションで檻に入れて監禁したうえ、拳銃で射殺したとされる事件。客観的な証拠はないとされた。
一審の実質的な審理期間は、裁判員裁判としては過去最長の207日(初公判から判決までの期日は70回)にのぼった。
一連の事件をめぐっては、共犯の実行役として殺人罪などに問われた男について3人の死亡への関与を認定され、2019年3月に神戸地裁姫路支部で死刑判決を受け、控訴している。2月19日にも大阪高裁で控訴審初公判が開かれる見込み。