JR須磨駅(神戸市須磨区)からすぐにある、赤と白を基調としたカラフルなお店「コペンハーゲン」。一見オシャレなホットドッグ店だが、人気ロックバンド「B’z」のファンが全国から集う「聖地」にもなっている。店内モニターでは絶えずB’zのライブ映像が流され、ボーカルの稲葉浩志さんのサインや、貴重な写真などが壁一面に配される。
気さくで親しみのある店主、ビャーネ・リンボー・ハンセンさん(71)とB’zの間には、深い縁がある。ハンセンさんは母国・デンマークで350年の歴史がある老舗レストランの料理長を務め、日本人女性との結婚を機に1981年に来日。妻の実家がある岡山県津山市でデンマーク料理店を始めた。その店の常連客が、稲葉さんの母親だったことから、家族ぐるみの付き合いがスタート。帰省した稲葉さんだけではなく、ギターの松本孝弘さんも来店するなどしたが、その後、閉店。業態を変え、まず兵庫県高砂市でホットドッグ店を出店。現在の「コペンハーゲン」をオープンしたのは2008年のことだ。
人気メニューは、稲葉さんが好きなハンバーガーをイメージして、フライドオニオンとピクルスをたっぷり乗せた「イナバドッグ(380円)」と、松本さんが好きなカレーキャベツでソーセージを包んだ「松ちゃんドッグ(420円)」。それぞれ2人の好物を元に考案されたという。同店のホットドッグには特注のソフトフランス、デンマーク産のボリューミーなソーセージが使用されており、本場の味を楽しめるのが魅力。他にも、オーソドックスなコペンハーゲンドッグ(350円)や、ピリ辛とチーズのハーモニーが楽しめるクリスチャンドッグ(500円)など、豊富なメニューが並び、アルコール飲料との相性もよい。
デンマークを語るうえで外せない言葉の1つに「Hygge(ヒュッゲ)」がある。「人と人とのふれあいから生まれる、温かな、居心地の良い雰囲気」を意味するが、ハンセンさんのお店は、その言葉通り、老若男女に愛される名店である。店の電話番号の下4桁は、「1783(イナバさん)」。ハンセンさんは、「電話会社に事情を説明したら、30分ほどでOKの連絡をもらったよ」と無邪気な笑顔を見せる。
■コペンハーゲン
〒654-0055
兵庫県神戸市須磨区須磨浦通4-3-14
電話:078-737-1783
※テイクアウト対応
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