子どもの成長に合わせた切れ目のない子育て支援施策に取り組んでいる兵庫県たつの市は、“健康”をキーワードに菓子や栄養食品を製造販売する総合食品会社「株式会社明治」と、乳幼児向けの栄養情報を活用した子育て支援で連携する協定を締結した。
たつの市は高校入学準備金の支給や中学生以下医療費無料化、中学生学校給食無料化、小学校入学祝い品贈呈など、子育て世代の経済的負担軽減のための各種支援策に取り組んでいる。
今回の協定は、それらの支援策のうち企業版ふるさと納税を原資にして乳児のいる世帯へ紙おむつや離乳食といったベビー用品を贈る「はつらつベビーまごころ便」事業(2020年スタート)で、明治の液体ミルクを支給品に採用したことが縁となって実現した。
両者は今後、乳幼児の栄養に関する適切な情報の普及啓発、子育て支援事業に対する分析・検証に関することで連携していくという。たつの市は、明治が提供する最新の栄養情報をもとに、幼児期からの正しい栄養摂取を市民に啓発し、家庭で実践してもらうよう働きかけていくという。
8日、たつの市はつらつセンター(同市龍野町)で行われた調印式では、山本実・たつの市長と株式会社明治の馬込徹関西支社長らが顔合わせ。山本市長が「市民が自分の健康は自分で守るという主体的な健康づくりに取り組むきっかけとしたい」とお礼を述べると、馬込支社長は「自治体とさまざまな連携協定を交わしてきたが、自社の栄養情報を活用するのは初めてのこと。大いに役立ててもらいたい」と応じていた。
両者は取り組みの第1弾として双方の栄養士が協力し、地元の特産品を使った乳幼児向けと出産後のママ向けの新しい料理レシピを考案、日本最大の料理レシピサイト「クックパッド」の市公式ページに掲載して情報発信している。(播磨時報社)