西日本高速道路(NEXCO西日本、本社・大阪市北区)の男性社員(当時34)が2015年に過労でうつ病を患い自殺した問題で、神戸地検は、業務上過失致死容疑で告訴された元上司ら8人を再び不起訴とした。不起訴処分は3月11日付け。神戸第2検察審査会の「不起訴不当」の議決を受け、再捜査していた。議決が「起訴相当」ではなかったため、捜査は終結した。
神戸地検幹部は再度不起訴とした理由について「一定の時間外労働を伴う事実は認められるが、自殺の理由は判然とせず、長時間労働で自殺に至った因果関係を証拠から認定することは困難と判断した」と説明した。
男性は2014年10月、神戸市垂水区の第二神明道路事務所に異動。1か月あたり100時間を超える時間外労働が続くなどして、過労でうつ病を発症して2015年2月に自殺した。労災認定後に遺族が告訴。遺族は業務上過失致死容疑で8人を告訴し、神戸地検が不起訴としたが、検察審査会が2019年3月、不起訴不当と議決していた。