今期限りで退任する井戸敏三知事(75)の任期満了に伴い、7月18日に投開票される兵庫県知事選挙で、自民党本部は12日、総務省出身で前・大阪府財政課長の斎藤元彦氏(43)を推薦することを正式に決めた。自民党には、前・副知事の金沢和夫氏(64)と斎藤氏の2人が推薦を求めていたが、県連の会長を務める谷公一衆議院議員(69)らが9日、県連として斎藤氏の推薦を党本部に申請しており、これを党本部が最終決定した。
県連は7日に開いた選挙対策委員会で、県議らによる投票の結果、一度は推薦候補を金沢氏に決定。しかし、県連は所属の国会議員団の意見を合わせ検討した結果、方針を転換、斎藤氏を推薦候補として党本部に申請した。これに対し、金沢氏を支援する党県議団所属の県議らは「信頼関係を大きく損なうものだ」などとした抗議文を県連の谷会長に宛てで出すなど、強く反発している。
今回の決定を受け、斎藤氏は「推薦は大きな力になり大変ありがたい。謙虚に受けとめ、引き続き、県民に考えや思いを伝えていく」、一方の金沢氏は「推薦をいただけなかったのは大変残念だが、これからは県民党という立場で頑張っていく」とコメントしている。
候補者への推薦をめぐっては、日本維新の会が斎藤氏の推薦をすでに決定。2人のほか、県知事選には元・加西市長の中川暢三(ちょうぞう)氏(65)が立候補を表明している。