「神戸人形」の魅力を紹介する「神戸人形賛歌~ミナトマチ神戸が育てたからくり人形~」展が、姫路市香寺町の日本玩具博物館で、8月31日まで開かれている。同館の尾崎織女学芸員による「リモート・ミュージアム・トーク」は、3回にわたってその歴史について解説してもらった。
ただし、新型コロナウイルスの感染拡大で、兵庫県に緊急事態宣言が発出され、同館も5月11日まで臨時休館に。それでも、博物館に足を運べなくても展示を鑑賞することができる「リーモト・ミュージアム・トーク」。今回は番外編として神戸人形の奇抜で滑稽な動きを動画で紹介する。
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■三つ目小僧の人力車
(明治後期/野口百鬼堂製)
車夫のいない人力車を転がすと、三つ目小僧が鉦を打ちながら、首を伸び縮みさせます。仕組みは非常にシンプル。二つの車輪をつなぐ車軸の中央が凸型に作られており、その凸部分に三つ目小僧の首がつながれています。車輪が動くと、車軸の凸部分も回転するので、小僧の首が上がったり、下がったりを繰り返します。
■三味線と目が出る鯛
(明治末から大正初期/出崎房松製)
三味線と鯛が置かれた台箱のつまみを前後に動かすと、髷(まげ)を結った女性が両手を交互に動かし、同時に鯛の目が驚くほど高く飛び出します。鯛の“目が出る”ことにあやかり、三味線の腕があがり、芸道において“芽が出る(=成功する)”ようにというまじないか、それとも……? なんとも不思議な取り合わせです。
■西瓜喰い
(明治末から大正初期/八尾製)