かつての関西屈指の洋菓子チェーン「パルナス製菓」(2000年営業終了)の流れをくみ、阪神電鉄・尼崎駅構内で48年間営業したカフェベーカリー「モンパルナス」が5月1日、大阪府豊中市の阪急宝塚線庄内駅近くに移転、オープンした。
![新装オープン「モンパルナス」(豊中市庄内西町)](https://jocr.jp/raditopi/wp-content/uploads/2021/05/%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%83%91%E3%83%AB%E3%83%8A%E3%82%B9-NEW-%E6%AD%A3%E9%9D%A2-1024x576.jpg)
モンパルナスは1974 (昭和49) 年、パルナス創業者の故・古角(こかど)松男さんの弟・伍一さんが阪神尼崎駅構内に開業。現在は伍一さんの長男、武司さん(61)が運営会社「パルナス商事」の社長を務めている。
![パルナスのピロシキ「パルピロ」愛らしい原画](https://jocr.jp/raditopi/wp-content/uploads/2021/05/-NEW-%E3%83%91%E3%83%AB%E3%83%94%E3%83%AD%E5%8E%9F%E7%94%BB-e1619860707727-1024x785.jpg)
![”パルナス坊や” ニコライ・ノーソフによるソ連の児童文学「ネズナイカの冒険」の主人公がモデルとも](https://jocr.jp/raditopi/wp-content/uploads/2021/05/-NEW-%E3%83%91%E3%83%AB%E3%81%A1%E3%82%83%E3%82%93-e1619860850489-1024x784.jpg)
2020年、世界中を襲った新型コロナウイルスの感染拡大で、店舗の客足が激減。同年4月からの1回目の緊急事態宣言下ではホームページなどで「存続が危うい、助けてほしい」と訴えた。一時的に注文が急増したが、コロナ第2波、第3波で人々の外出自粛に歯止めがかからず「爆発的な注文が何回も続くわけではなかった」という。売り上げの約3分の2を喫茶部門が占めていたモンパルナスにとって、客足が戻らないこと、そして何よりもテナント料の高さが大きな痛手となった。
![名物『ピロシキ』パッケージも新装 オープン初日は午前中だけで約700個が売れた](https://jocr.jp/raditopi/wp-content/uploads/2021/05/%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%83%91%E3%83%AB%E3%83%8A%E3%82%B9-NEW-%E3%83%94%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%AD-1024x576.jpg)
![近くには大阪音大、母親の母校でもあり母娘2代で庄内に住む女性「幼い子どもがペロリと食べられるピロシキ、庄内の新しい名店ですね」](https://jocr.jp/raditopi/wp-content/uploads/2021/05/%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%83%91%E3%83%AB%E3%83%8A%E3%82%B9-NEW%E3%80%80%E6%AF%8D%E3%81%A8%E5%AD%90-1024x576.jpg)
古角社長は「尼崎に未練はあるし、このまま続けたかったのですが…。このままでは家賃が払えないどころか、会社が潰れてしまいかねない状況だったのです」と移転を決めた。大阪府豊中市の阪急電鉄・庄内駅からほど近い場所で再出発。喫茶コーナーは20席ほどに減らし、ピロシキなどのベーカリー部門に力を入れるという。折しも府内は3回目の緊急事態宣言下での船出だが、コロナが早期収束することを信じ、「くつろぎの空間」を提供する。新店舗の内装は、長男でインテリアデザイナーの尚也(なおや)さんが担当し、モスクワの雰囲気を醸し出すようにした。
![パルナス製菓・かつての本社工場は豊中に(現在は建物は解体)](https://jocr.jp/raditopi/wp-content/uploads/2021/05/-NEW%E3%80%80%E6%97%A7%E3%83%BB%E8%B1%8A%E4%B8%AD%E5%B7%A5%E5%A0%B4-e1619858310563-1024x837.jpg)
![大阪・伊丹空港にもほど近い豊中 上空では至近距離で離発着の飛行機が](https://jocr.jp/raditopi/wp-content/uploads/2021/05/-NEW-%E8%B1%8A%E4%B8%AD%E4%B8%8A%E7%A9%BA-e1619858375912-1024x838.jpg)
コロナ禍で経済が落ち込み、個人消費も減少傾向にあるが、テイクアウトの強みも生かしたい。古角社長は「モスクワの味・ピロシキはウチの自慢。従業員全員を連れて庄内へ来ました。庄内の街はどことなく尼崎に似た庶民的なところがあります」と話す。庄内近辺にはかつて、パルナスの本社と工場があり、地元の人々からは「パルナスが帰ってきた」との声も上がっているという。
![「パルナス復刻委員会」主宰・藤中健二さん(左)と古角武司社長](https://jocr.jp/raditopi/wp-content/uploads/2021/05/%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%83%91%E3%83%AB%E3%83%8A%E3%82%B9-NEW-%E5%8F%A4%E8%A7%92%E7%A4%BE%E9%95%B7%EF%BC%86%E8%97%A4%E4%B8%AD%E3%81%95%E3%82%93-1024x576.jpg)
![藤中さんが用意した展示用の“パルナスグッズ”の数々 今後もバリエーションをつけてゆく予定](https://jocr.jp/raditopi/wp-content/uploads/2021/05/%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%83%91%E3%83%AB%E3%83%8A%E3%82%B9-NEW-%E3%82%B0%E3%83%83%E3%82%BA%E3%81%84%E3%82%8D%E3%81%84%E3%82%8D-1024x576.jpg)