神戸市が25日から独自に運用を始める、新型コロナワクチンの大規模接種会場で20日、接種体制の流れを確認するシミュレーション訓練が行われた。接種にかかる時間を測り、問題点を洗い出すのが狙いで、ワクチンを打つ歯科医師や看護師などのスタッフをはじめ、接種を受ける市民や市職員など合わせて約230人が参加した。
市は、神戸ハーバーランドセンタービル(神戸市中央区東川崎町)を大規模接種会場のひとつとして確保。同会場で行われた訓練では受け付けから問診、ワクチンを打った後の経過観察までの手順や、接種後にアナフィラキシーショックを起こした人が出た場合の対応を確認した。市によると、接種全体にかかる時間は1人当たり約40分だったといい、主な課題として「ワクチンを事故なく運ぶ経路が必要」や「現在地がわかるような会場全体の図が必要」といった意見が出たという。
接種される市民としてシミュレーションに参加した、神戸市須磨区に住む男性(77)は、「スタッフの数が多く、指示が自分に向けられているのかどうかわからない場面はあったが、特に困ることはなかった。自分も早くワクチンを打ちたい、という気持ちになった」と訓練を振り返った。市は同会場で25日から、65歳以上の高齢者を対象に、居住区を問わず1日最大2,000人の接種を予定している。