新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、兵庫・大阪など9都道府県に発令中の緊急事態宣言は6月1日、再延長期間に入った。6月20日までとなり、2021年の上半期のうち3分の2以上の日数が宣言発令期間となった。今回の延長で、4月25日から宣言対象となった兵庫・大阪・京都・東京の4都府県は発令期間が57日間となる。
宣言の再延長に伴い、休業要請が一部緩和されたことを受け、大阪府内の百貨店や大規模映画館などが1日、営業を再開した。経済活動との両立を目指す中、人の流れが活発になることで感染が再拡大する懸念もある。
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神戸市東灘区の主婦(60代)は「去年は最初の緊急事態宣言が解除されたのがこの時期(2020年5月末~)。今年は宣言が再延長されて、本当ならもっと緊張感がないといけないのに、人の流れも多いし、電車の中でも、時間帯によっては、かなりの『密』で心配」と話した。
大阪市淀川区の男性会社員(30代)は「これで(緊急事態)宣言が最後とは思えない。感染者数はじわじわ減っているが、病床のひっ迫の度合いがわからず、宣言の解除の基準についても、最近の政府や行政のメッセージを見聞きしても、はっきりとしたものが伝わってこない」と嘆くが「コロナワクチンの接種が進むと、心理的には安心感が広がるかも知れない」との期待も寄せる。
西宮市の女性会社員(20代)は「東京オリンピック・パラリンピック、本当にどうしたいのか、開催ならば2か月切ったが、6月20日に宣言が解除されたとしても、世間では反対意見が大多数なのに、多くの選手や関係者を受け入れることができるんだろうか。5月11日に予定されていた宣言の解除も、聖火リレーなど関連する行事や、IOC・バッハ会長の来日に合わせていたからじゃないかと思う。でも感染者数が減ることなく延長・再延長となって、ただ時が過ぎて開幕するような感じがする」とみている。
姫路市の会社役員の男性(50代)は「姫路城での聖火リレーは当初、小学生とランナーが一緒に走るイベントだったが、公道でのリレーが中止され、舞台で聖火を受け渡す「トーチキス」を無観客に。一般の方々がいろんな対策を施して予定していたイベントはことごとく中止になっても、オリンピック関連の行事だけは『あらゆる手段を尽くして』やるんだなぁと思った」と話した。