2018年11月、兵庫県尼崎市の踏切内で自殺した同市立中2年の男子生徒(当時14歳)が、神戸市立小に通っていた際にいじめを受けていたとされる問題で、専門家らによる第三者調査委員会は3日、「いじめが自殺の要因」などとする調査報告書を神戸市教育委員会に提出した。
報告書によると、生徒は神戸市立小の6年生だった2017年3月、教室の机に油性マジックで「死ね」などと落書きされた。その後、一度は同校区内の神戸市立中に進学したが不登校となり、尼崎市立中に転校。周囲に前向きな姿勢を見せることもあったというが、翌18年11月、フリースクールからの帰りに自宅近くの踏切で電車にはねられた。
男子生徒の母親から「自殺の原因は、小学校時代のいじめ」との主張を受け、市教委は2019年に第三者委員会を設置、調査を続けてきた。第三者委は上記のような落書きを「生徒にとってトラウマのような体験だった」と、いじめと認定したうえで「生徒の自殺願望が増した一つの要因として、いじめとその後の学校の対応があったことは否めない」と断定した。また、当時の小学校担任が落書きについて、生徒の「自作自演」ではないかと疑い、中学校側への引き継ぎが適切に行われていなかったと指摘した。
神戸市教委の長田淳教育長は、「今後、このような痛ましい事案を二度と起こさないよう、調査報告書でいただいた提言をもとに再発防止に真摯に取り組んでまいります」とコメントした。
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