神戸の造園会社が、自宅で手軽に水耕栽培ができるキットを開発、販売している。
「学生の頃、農業実習で、ある農家に立ち寄ったとき、水耕栽培を初めて見たんです。そのときの驚愕が忘れられなくて、誰でも水耕栽培ができる商品ができないかなと思い、2009年に自宅のベランダで研究を始めたわけです」
そう話すのは、『浮かせてキット』を開発、販売する、有限会社グリーンスペース造園(神戸市垂水区名谷町)代表取締役の小山茂樹さん。同社では主に造園工事をプランニングから施工までを行っている。
小山さんの自宅のベランダには水耕栽培でいちごやイチジク、ニンニクも育てている。また花や果樹だけでなく根菜類の里芋やカブも栽培できるという。
「本当に(実りが)大きくて、百何十種類もの作物が栽培できます」と、にこやかに語る小山さん。適切な量の液体肥料を加え、エアポンプで各容器に空気を送るだけとなっていることも、水耕栽培の利点だという。「そんなに難しいことないです。虫も来ませんし、ベランダなので風通しが良くて病気にかかりにくいですね」。
一般向けに販売している『浮かせてキット』は、30センチ四方で高さが35~40センチの容器。そのキットの中には、専用肥料とともに、エアポンプ付きで特製のメッシュポットが付属している。そして、組み立てた後、市販の花や野菜の苗を、水に浮かせた特製メッシュポットに植えるだけで、水耕栽培ができる仕様となっている。「野菜が(容器の中で)浮いてますので、水を吸収して水が減ったら元の水位まで水を入れるというだけの管理ですね」と栽培方法もいたって簡単だ。
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