兵庫・大阪・京都の関西3府県を含む、9都道府県に発令されていた3度目の緊急事態宣言が、2度の延長を経て期限の20日に解除された。沖縄県については延長される。うち7都道府県は21日から「まん延防止等重点措置」に移行、リバウンド(感染の再拡大)が懸念される中、飲食店の酒類提供自粛などの制限が条件付きで緩和され、休館していた施設などが再開する。こうした中、東京五輪開幕は約1か月後に迫る。歓迎の一方で「感染が再拡大しないか」と懸念の声も上がる。
緊急事態宣言下で政府の対処方針は何度も改定され、飲食店など多くの現場が対応に追われた。「第4波」で変異ウイルスの猛威にさらされた兵庫県や大阪府では医療提供体制がひっ迫し、適切な治療を受けられない「医療崩壊」を招いた。菅首相が陳謝する場面は何度もあったが、こうした対処方針の正当性が国民に伝わったのか疑問が残る。
東京五輪・パラリンピックを開催する理由についても十分な説明がない。 G7サミット(先進7か国首脳会議)で各国の支持を取り付けた格好にはなったが、あくまでも各国の選手を受け入れる側の立場で、菅首相自身が国民の理解と協力を得るべきだろう。関西3府県のうち、神戸と京都で聞いた。
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■大阪市淀川区から神戸・南京町に 20代・会社員男性
お昼時にはいろんなお店で並んでいるイメージがあったが、お店が半数しか開いていないのに驚いた。
宣言が解除されて、「お酒が飲食店で飲めるようになるか」が注目されているが、飲む人は(家で)飲むし、一定数、出かける人は出かける。特に今年は(まん延防止措置も含めて)ずっと縛られた生活をしていて、今さら節目はない。
オリンピックを開催するかしないか、開催しても無観客とするのかどうか、どこに「落としどころ」をつけるかだが、開催まで30日そこそこで「本当に大丈夫なのかなあ」と思う。個人的には柔道をしていたので、スポーツを楽しむうえでは興味はあるが、心底楽しめない気がする。前回の東京五輪(1969年)とは時代も違って、オリンピックの”重み”を感じないのが正直なところ。
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