2019年に兵庫県姫路市の男性(当時47)に刃物で切り付け殺害し遺体を山中に遺棄したとして、殺人・死体遺棄などの罪に問われた特定抗争指定暴力団・神戸山口組系組員(42)の裁判員裁判・初公判が30日、神戸地裁姫路支部で開かれ、組員は殺意について否認した。
起訴状によると、少年8人と共謀し2019年11月、兵庫県高砂市の路上や車内で、金銭トラブルがあった職業不詳の男性(47)にナタで切り付けたり、バットで殴ったりするなど暴行し殺害。遺体を兵庫県たつの市内で地中に埋めた後に堀り起こし、京都府福知山市内の山林に再び遺棄したなどとしている。
検察側は冒頭陳述で「組員が『半グレ集団』として複数の少年を集めて指示し、殺傷能力の高いナタやバットを使って暴行した。男性の死亡の発覚を免れるため、農道に埋めて火を放った」などと指摘した。
一方弁護側は「男性を痛めつける意思はあったが、殺意はなかった」と述べ、組員も罪状認否で「あれぐらいのナタで(男性が)死ぬとは思わなかった」として、傷害致死罪にとどまると主張、殺人罪の成立を否定した。その他の起訴内容は認めた。
事件をめぐっては組員の起訴後、同じ組の組長(48)らも共犯として傷害致死罪などで起訴されている。